きゃー!八神君かっこいいー!
 ねね、今のシュートみた?!
 見た見た!もう超かっこいい!
 八神先輩すてきーー!
 ちょっと工藤先輩だってカッコいいでしょ!
 わかる!色んな部活の助っ人に出てて、どれも様になってるよね!
 

(はぁ、どーして女ってあんなにキャーキャー騒げるんだ?)


 俺も女だけどさ…。
 目の前でボールを追い掛けるタイキと太一、2人は今日サッカーの練習試合だ
 俺一人で応援に行くと周りの女子生徒による嫉妬と妬みの視線が痛々しいので避けていたが、今回は大輔と一緒なので…まぁ、セーフだろう


「うわぁー!太一さんもタイキさんもかっこいいッスね!」

「(クスッ)そうだな、2人ともかっこいい」


 もし俺が男だったらこんな悩みしなくても済んだのに


 きゃぁぁあ!!


「ん、なんだ?」

「太一さんがシュート決めたんだ!」


 増える黄色い声を煩わしいと思いつつフィールドを見ると
 ちょうど太一とタイキがハイタッチしてるところだった。
 向こうも俺たちのことに気付いたのか大きく手を振ってくる


「見たか今のシュート!」

「わり、見逃した」

「はぁあ!?」

「ぶはっ!ざまぁ!」

「うっせぇタイキ!にゃろ、今度はちゃんと見てろよ!」


 再び試合へと戻る2人。
 同時に痛々しい視線がチクチクと刺さってるのが分かる
 はぁ、女の嫉妬って怖い…。俺はいいとして、無関係な大輔にまで不快な思いさせるのは申し訳なさすぎる


「悪いな大輔、居心地悪いだろ?」

「そんなことないですってば。太一さんとタイキさんの活躍も見れるし、こうやって大さんと一緒にいられるし、良いこと尽くしッスよ」

「お前…本当にいい後輩だよ」


 太一がコイツを可愛がるのがよく分かる。
 頭を撫でると嬉しそうに笑うし、マジ癒しだ


「それより先輩らの活躍みようぜ大さん!きっと太一さん、さっきの一言でスイッチ入ったぜ!」

「また見逃したら何言われるか分からねぇし、見てやるか」

「(素直じゃないなークスクス)」


 大輔の予測通り、やる気スイッチが入った太一の的確な指示とタイキの采配で見事勝利を掴んだ。
 相変わらず女子のキツイ視線はあったが、試合が終わった後はそんなのどうでもよくなっていた。


 *後日*


「はぁ?四角関係?」

「なんでも大をめぐって俺と太一に大輔が火花散らしてるって噂が流れてるらしいぞ」

「へへ、大さんの彼氏候補に選ばれるなんて光栄ッスね!」

「3人も男を誑かすたぁ罪な女だな、大」

「面白がるなっての」


ま、役得だけど
嬉しくないわけがない
後に六角関係とかなりそう(笑)


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