※中2の太マサ♀


 雲ひとつない晴天。気温も風も丁度よくまさにデート日和な今日だが…
 やべぇ、マジヤベェ。寝坊で大遅刻とか
 殺される。確実に殺される。
 しかもよりによって今回はフォローの達人タイキがいない!

「太一、今回遅刻とか絶対すんなよ」
「大丈夫だって、俺だってそこら辺はちゃんと出来る」
「出来なさそうだから忠告してるんだよ」


 申し訳ありませんタイキ様。貴方様の仰る通りの展開になっています。
 大のやつ、珍しく寝坊とかしてくれねぇかなー。…アイツ約束事はちゃんとするタイプだから確率はほぼゼロに等しいな。ヤベェ機嫌損ねてるとかの次元じゃねぇって絶対

(1発殴られるのを覚悟して謝ろう…)

 よしっ、信号が青になった。あとはここの通りを真っ直ぐ走って突き当りで曲がれば待ち合わせ場所だ。
 …会った瞬間の反応が頗る怖いが、いい加減覚悟を決めるんだ八神太一。ああああ!ああそこで曲がれば般若の顔をした大が待ってるううう!!(ガタガタッ

「(えぇいッ腹括れ!俺!) わりぃ大ッ!寝坊して遅…」

 ドゴォオッ!


 え。


 壁のコンクリに、ヒビ、入ってますよ?


「…さっきから言ってる通り、ここで、人を、待ってるんだよ。
 そいつと買い物する約束してっからテメェらと何処か行く気はさらっさら無えって何度言えば分かってくれるんだ?あぁん?」
「「あ、あはは、あはははっし、失礼しましたぁぁぁあッ!!」」

 そう言うと野郎2人は引き攣った笑みを浮かべてダッシュで俺を横切って行った。
 …え、なにこれどういう展開? あいつらもしかして…

「よぉ太一、やっと来たか」
「(ギクゥッ!)お、遅くなってすみません…。何やら大変な目に遭ったようで…」

「おう。予想通り寝坊した馬鹿を待ってたらチャラ男にナンパされてよ。
 何度断っても断っても断っても、遅刻する奴ほっといて俺らと行こうってしつこくて本当にムカついてたんだよ。もうすぐ来るってはぐらかしてもお前が来る気配欠片もなくて、更に誘いがヒートアップしてもう少し遅かったら公共場の前で大乱闘起きてたかもしれねぇな。そうならないよう必死に耐えて耐えて耐え抜いて待ち続けて早1時間半経ってたなんて面白え話だぜまったく。
 なあ太一、他人(ひと)の話ちゃんと聞いてるか?ん?」

「…この度は寝坊をして1時間以上も遅刻してしまい本当に申し訳ありませんでした」
「ん、昼飯奢れよ」
「え?」
「本当は今この場で顔面殴りたいけど、流石に子どもいる前じゃ出来ないからな。あとで覚悟しとけ」
「ですよねー」

 今度から絶対寝坊しないよう頑張ろう。うん。

「それじゃ行こうぜ太一。遅れた分も挽回しねぇと」
「だな。ほらっ」
「へ?」
「恋人なんだ、手繋ぐぐらい普通だろ?」
「初デートで大遅刻のくせに」
「…すみません」
「いーよ、そーいうの全部含めて好きなんだから」

 アイツらと行くより、太一を1時間でも2時間でも待ってた方がずっと有意義だ。
 なんて可愛い小言が聞こえたもんで、思わずほっぺにキスしてしまった。
照れ隠しの一撃を食らうのはこの後すぐ
な、なに考えてんだッ!!
可愛いと思ったからつい。

Run。様からのリクエストで太マサ♀でした。初デートで大遅刻する太一さんもすげぇがそれをデフォのように受け入れる大の姉貴マジ可愛い。お前ら爆発しろっ!!リクエストありがとうございます!


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