ザァ―

「やまないねぇ」

「あぁ、どんどん酷くなってきてる」 


 大さんと街を見回ってた最中に突然の雨。
 なんとか雨宿りできる場所をみつけたけど、服は少し濡れちゃった。
 早く戻ってお風呂入らないと風邪ひいちゃうかもしれない


「っくしゅ!」

「冷えちまったか、大丈夫か?」

「だいじょ…っしゅん!」 


 どうやら身体は正直みたい。だんだん震えてきた 


「ほら」 


 バサッ 


「え?」

「少しはマシになるだろ」 


 見上げれば大さんは黒のタンクトップになっていた。
 いつも来ている赤色の上着を僕にかけてくれたんだ


「だ、ダメだよ!大さんが風邪ひいちゃう!」


「俺は馬鹿だから風邪ひかねーの。良いから羽織ってろ」 


 そう言いながら、荒っぽく僕の頭を撫でだす。
 袖なしの上着だけど、僕が羽織れば腰ぐらいまでの長さ。

 大さんに後ろから抱きしめられ…


(って何考えてるの僕!?)

「どうした?」

「な、なんでもない!」


 ザァー 


 さっきまで気にもしなかった雨の音が、まるで僕を笑ってるかのように聞こえた。
 それでもいいよ。

今ちょっとだけ感謝してるんだから
どうせならもう少し降っててほしいな。…なんてね
大の上着を着る啓人の絵をくれた神様からネタ拝借しました…っ!


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