※大の兄貴が野良犬
※太一さんが大学生


ザァアァー

 あーくそ、やべぇ。身体中痛ェ
 っざけんなよカラス野郎。5匹とか反則だろくそったれ
 ダメだ、足動く気がしない。血も出てるし…あぁ、俺死んじまうのか?
 こんなところで?ふざけんなよ
 けど、この雨でどんどん体温は下がっていくし…だんだん眠くなってきた…

 明日になったらカラス10匹くらいに死体(仮)を突かれるのか?
 うわ、絶対嫌だ。死にたくない。こんなところで死にたくねぇよ…

「ひでぇ傷だな…カラスにでもやられたか?」

 …誰だ? 視界が…悪…っ

「もう大丈夫だ。安心しろ」

 あ、…った、か…ぃ……



 * * * *



 ぴくっぴくぴくっ

「……(ぱちり)」

 はて、え?ココどこ? まっ白い部屋だな。天国?ここ天国なのか?
 え?なに俺マジで死んだの?うそだろ?嘘だよなオイ!?

「あ、目が覚めたみたいだね」
「ワンッ!?」
「ははっ驚かしちゃったかな?ごめんね、ここは安全な場所だから警戒しなくて大丈夫だよ」

 安全…?あれ、そういえば俺の身体治療されてる。
 ここは…病院か?それならこの白い部屋も納得だ。天国じゃねぇんだな、良かった。ホント良かった。

「もうちょっと待っててね。キミを拾ってくれた人がもう少しで来るから」
「クゥ?」
 バタバタ!
「お、噂をすれば…」
「丈!昨日の犬は!?」

 部屋に入ってきたのは、茶髪の爆発頭をした青少年だった。
 青のシャツと黒のズボンでスラリとしている。

「落ち着いて太一。大丈夫だよ、ほらもう目が覚めてる」
「お、おぉおー!お前っ!気がついたのか!身体は?もう怪我とか大丈夫か!?(グイッ!!)」
「ワンンンン!!(傷口ダイレクトォォォ!!)」
「あぁあっ!ちょ、傷開いたらどうするのさ!?」
「あ、悪ぃ」

 やだ怖い。あの人超怖い。
 モロ傷口のところ触ってきやがった怖い。

「くぅん(ガタガタ)」
「ほら太一が変なことするからこの子も怖がってるじゃないか」
「だから悪かったって。あんだけ弱ってたからもう心配で心配で」
「傷自体は1週間足らずで完治するよ。昨日の雨でかなり体温を奪われてたけど、あとは栄養あるご飯を食べて安静にしてれば大丈夫」
「そっか!良かったなお前」

 今度は優しく撫でてくる。
 …そっか、昨日最後に感じた温かさはこの人間だったのか。
 コイツが俺を助けてくれた人間…

「太一、そろそろ大学の時間じゃないの?」
「やべっそーだった。ありがとうな丈!また夕方来るよ」
「うん、待ってるよ。いってらっしゃい」
「いってきまーす!」

 バタバタと飛び出して行く人間を見送ると、白い服を着た青年が近づき頭を撫でて来た

「キミもまだ本調子じゃないだろうし、いまはゆっくり休んだ方がいいよ」
「くぅん」
「おやすみ」

 
これが出会いの話
まさか拾った奴が俺の主人になるとは、この時は思いもしなかった
唐突に浮かんだネタをばぁーと30分クオリティで表現してみた。妄想は楽しいのに、具現化難しい!ちくしょう!


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