練習が終わった後、早々に学校を出てひとまず荷物を置いてから
やはりここは東京観光!!いざっ!!!
・・・だったのだが。
「何コレ、ここどこ」
人、人、人、ビル、ビル、人、人
宮城がいかに平和的なところかよくわかった
そうだ、こんな軽はずみに東京という大都会を一人で観光しようとしていた俺が悪い。
みなまで言うな、わかっておる。
「あ、東京タワー」
「ぶっ!!!」
「ちょ、木兎さん・・・!」
「お前、どこの田舎もんだよ!!」
「あれ、何か間違いましたか?もしかしてこれが噂のスカイツリーですか」
「おまっ、wwwwwwww」
「待って、答えて、草生やさないで」
ちょっとデジャヴな気分・・・
目の前で腹抱えて笑っている人と呆れながら失礼ですよ、と言いながらも止めようとはしない人は制服を着ていた。
なるほど、高校生か、ちくしょう袋たたきにしてやる
「いや、それはやめてください」
「んな・・・!!?読心術!?」
「お前、おもしろいやつだな!しかも見ない制服!俺木兎光太郎!よろしくな!」
「俺は赤葦京治です。木兎さんが急な失礼しました、すみません。それからさっきの、普通に声に出てました」
「えっと、七海夏芽デス。いろいろありまして東京に合宿きました、のでここらへんの制服じゃないです」
大変気さくな人たちだった。
木兎さんも赤葦さんも身長が大きい
「んでよ、夏芽!これは東京タワーでもスカイツリーでもねぇ」
「?・・・じゃあなんだっていうんですか」
「ただの電波塔、だ・・・ぶふっ」
「なんだ、違うのか」
「夏芽さん、もしかして迷子、とかですか・・・?」
「あ、そうだ、俺迷ってたんだ」
これはいつも一さんに怒られるヤツだ。
ふらふらすんじゃねぇ、って。
それから徹さんにも。
「どこに行きたかったんですか」
「うーん・・・どこって目的はなかったっス。とりあえず東京物色に」
「迷子の典型的なパターンのやつだな!」
また、木兎さんは豪快に笑い出した。
・・・どこまでも自分の感情に素直な人だなぁ。こんなにも人が困っているというのに。憎めないけど。
赤葦さんがそういえば・・・と話を切り出したから木兎さんは笑うのを止めて赤葦さんのほうをジッと見つめ、俺も習って赤葦さんのほうを見た
「合宿って、どこへですか?」
「えっと、音駒高校ってとこに・・・」
「音駒か!!俺ら梟谷学園っていう学校なんだけどさ、」
「袋たたき学園!!?」
「いや、お前それいっかい離れろ・・・」
ふくろうだに!!と、一文字ずつゆっくり言い直してもらった。
音駒高校というのは梟谷学園グループという集まりのうちの一校らしい
音駒の他にもあと二校あって、合計四校から成り立っている
時期になると合宿をしたりしているらしい
正直とってもとっても羨ましい。
「あれ、それはそうとも、合宿に門限とかってないんですか?」
「門限?あ、俺ホテルに泊ってるから大丈夫です!・・・けどもう気がつけば真っ暗ですね」
「まあ、出会った時には既に6時半でしたからね」
「んじゃま、そろそろ帰るか〜腹へった」
「その前に、ホテルの近くまで送ります。迷ってるんだし」
「ふおぉ・・・!!ありがとうございます赤葦様」
赤葦様と連呼すると頭をガシッとつかまれてやめてください、と微妙な顔された。
徹さんなら絶対に喜ぶのに
まあ普通の人の反応だよな。
なんにせよ、感謝でいっぱい!
木兎さんがせっかくの縁だし繋がろうぜと携帯を差し出してくださったので喜んで二人分の連絡先をゲットした
音駒高校付近にあるホテルの近くまで送ってもらって今日は人の温かさに触れたような気がしました。(あれ、作文)
ところで・・・
グループで合宿するって言っていたけど何部だったんだろうか。
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