私は自分の顔が大嫌いだった。
だから、来世があるなら何もかも平凡に生まれ努力して幸せを掴みたいと思っていた。

話は変わって、人生というのは何が起こるかわからないものだ。
同級生の悪質ないじめから知り合いを庇った私は、なんと運悪く勢い余って廊下を突き抜け階段の手すりも飛び越え、階数で言えば六、七階分はあろう遥か上空の螺旋階段から一階まで落下した。
結果的に私を殺す事となった同級生が私に求愛していた男だというのがまた何とも、噂になりそうな話だ。
いやそれよりそもそも、私があそこで庇わなければ位置的に知り合いが壁に打ち付けられただけで終わっていて、同級生を若い身空で殺人者にしたのは私で、しかもいじめが始まったのもそもそもは私の顔がきっかけで、なんかもうこれ八割ぐらい私が悪いのかもしれない。
お節介で周りに尋常じゃない被害を出している。そんな私はまさか地獄行きだろうか。

ああ。



しかし私はあっさりと目を覚ました。

「なまえ、目が覚めたんだね大丈夫かい?」

最初に目に映ったのは見知らぬとんでもない美少年で、最初に聞こえたのは私を見ているのに知らない名前で呼び掛けてくる声だった。
何だこれは?

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