「まーくんって言うのよ?名前ちゃん、仲良くしてね」

嫌です。


……と、激しく言いたい。

どうも苗字名前です。5歳になりました。いやん、月日の流れって怖い。惰性に子どもライフを送ってきた、そんな私に悲報です。
なんか目の前の少年の顔立ちになんとなく見覚えが。そのお母様の顔にもどことなぁく見覚えが。
まーくんか…まーくんねぇ…?私と幼なじみのまーくんって言ったら、あれでしょ?

お前、仁王雅治だろ。この無能詐欺師が。

「…名前、えほんよむー」
「名前、まーくんとお友達にならないの?」
「…えほんがいいの」

秘技!子どもは気分屋!
私はまーくんの方は一切見ず、絵本にダッシュした。これだけは言っておく…お母さん、ママ友との仲悪くしたらマジごめん。
でも私悪くない。だって嫌いって言わなかったし。興味ないのを怒れますか?悪いって言えますか?…ごめんなさいお母さん、アナタの娘は早くもひねくれています。

そう、私は何がなんでもまーく…仁王と仲良くする気はありません。絶対、断じて、どうしても、ありませんっ!
どうせコイツ、すぐに引越しするしね。最終的には神奈川に戻ってくるけど。何で戻ってくるんだろう。やめてほしい。

「ぅあぁぁーん!」

何か知らんけど後ろで泣きだした仁王を完全無視して、私は絵本を読んだ。
あーつまらん。

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