最近、気づくと目で追っている後輩が居る。

「おー、兵助。何見てんだ?」
「な、何も見てないぞ!」

後ろからハチに声を掛けられ、慌てて否定する。自分でも無理があるとは思ったけど、ハチもハチで察してくれればいいのに背伸びして俺の肩越しに後ろ覗き込んだりしないで欲しい。

「おほー?正一郎か?アイツ、一部の六年生に妙に人気あるよな」
「えっ。そ、そうなのか?」
「ああ、兵助は正一郎とそんな話さないか。食満先輩やら七松先輩やら、後誰だっけな…まあとにかくかなり好かれてるぞありゃ」
「ふーん…?」

アイツ、人気なのか…いや俺には関係無いよな。なんかあっちは俺の事格好いいからとか何とかで好意的だけど、俺は…ちょっと気になるだけだし。

「よくわかんねぇよな。顔はそこそこ可愛いかもしれねぇけどさ」
「ああ、姫路は可愛いじゃなく格好いいだしな」
「え?」
「え?」



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