いやー、この前の豆腐をきっかけとした事件は大変だったね。俺何もしてないけど。
ちなみに何故綾ちゃんがこの前に限って伊作さん達の部屋に来たのかだが、俺が犯されたんじゃないかという衝撃のあまりに何しに来たか忘れちゃいました、との事。うん、発想が若干怖いけど、あの光景を見たら忘れちゃっても仕方ないね。許す。
後、伊作さんは久々知君の所に話を聞きに行っていたそうだ。豆腐からすぐに連想される久々知君とは一体何者なのか。

で、そんな事件から一週間経ったので、今の俺は人間してます。
でもね、伊作さんの部屋から出た直後、初めて見る四年生と目が合ったんだよ。それで今、その四年生が何か言いた気に険しい顔で此方に歩いて来てる。どう見てもシリアスな場面だ。なんだけどさ、ちょっと言わせて。

「君イケメンだね」

俺の目の前まで来ていた少年が、何を言われたのか理解出来なかったのか、瞬きを繰り返す。うわ、まつげ長ぇー!髪もさらっさら!
生まれ変わってから一番好みの外見だわー。ん?男相手に好みって言い方はないか?
いやさ、ほら芸能人感覚っていうか、丁度俺の好きな顔立ちなんだよねこの子。俺はっきりした顔のイケメン好きなんだよ。格好良いよなぁ。
ちなみに伊作さんは好みって言うか単純に好きで愛しているのだが、格好良いってより俺的に可愛いなと思うし、中身込みの愛だからまた別だ。好きな人への気持ちと芸能人への気持ちは違うんですっ!ってやつだな。

「な、い、行き成り何をっ?!」
「あー、悪い。つい思った事を口に。いやでもさ、言われない?」
「わ、私が格好良いなどという事は当たり前で皆が衆知の事実でありわざわざ口に出したりする者は中々、」
「そうか?俺は可愛いものは可愛い、格好良いものは格好良いって口に出して言いたい派だけどなぁ」
「うっ…わ、私、は、」

顔を真っ赤にして俯いてしまった四年のイケメンな少年に、畳み掛けすぎたかとちょっと反省。
だって、かなり好みどんぴしゃなイケメンだったからついさー。ごめんよ。

「ごめんごめん、でもからかったんじゃなく全部本音だから。それで俺に何か用あったんじゃないの?」
「っ…も、もういいです!!」

顔を真っ赤にして逃げるように居なくなったイケメン四年生に、そういえばうっかり名前聞き忘れたとへこんだ。
また会えるかな?あの顔は良い目の保養になるわー。

「さすが恒希さん、やっぱり忠告必要無かった」

振り返ると、イケメン四年生が走り去ったのと反対側の廊下に綾ちゃんが居た。よくわからないが手を振っておいた。振り返してくれた。かわいいな、おい。

そのまま伊作さんの部屋に帰り湯飲みに戻った俺は、そう言えばいつしか忍たま四年生はアイドル学年なのだと呼ばれているのを聞いた事を思い出した。
成る程、これは納得だ。


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