目を開けると、真っ黒な天井が見えて、それから目を開けられた事実に息を止めた。
そして、僕が思考を停止させている数秒の間幸か不幸か真っ黒な天井をただ見ていたせいでそれがただ真っ黒な天井でない事に気づいてしまった。
それは元々一般的な木の天井で、真っ黒に見えたのは墨。暗号のような理解不能な文字で、天井にはびっしりと文字が綴られていた。

さっきまで思考を停止させた自分が生きている奇跡さえ忘れて、冷や汗をかく。
とにかく、とにかくそうこれは、此処から一刻も早く逃げなくては。
ゆっくりと布団から出て横を見ると、気づきたくなかった事に壁も墨で真っ黒だった。
自然と頭に儀式や生贄の文字が浮かび、恐怖に震えそうになりながら出口を探す。
案外簡単に見つかった出口と思われる扉に足音を立てないよう走り、扉に手を掛けた。


開かない。

自分は、忍たまの中でも力があった方なはずだ。全力を込めても扉は壊れるどころかぴくりとも動かない。
異常だ。この空間の力?逃げられない?

「目が覚めたか」

振り返れば、以前と寸分変わらない姿の死神があった。
なんだ、もう僕死んでたのか。

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