目を開けると、見慣れない地にいつもの目に痛い真っ赤なワンピースとベンズナイフを片手に立っていた。

死んだ。
私は死んだ。天国地獄、死の先を私は信じない。
此処は俗世だ。何故私が生きているかは不明。

「ぁ、」

最初からそこにあった気配が洩らした声に視線を向ければ、10歳程の少年がじっと私を見ていた。

「殺し、ますか…?」

呆然と、その意味を理解しているのかいないのか呟かれた問いに、私は少年から視線を外した。

「いや」

もう、意味もないし。

それより、これからはどう生きようか?
闇医者が一番手っ取り早いかな。私がどうでもいい奴を救うだなんて、酷く滑稽だ。
でも、生きていて欲しかったと言われたから、彼の居ないこの世界だけど私は死なない。

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