あんな事言っていた癖に週末に僕が外出すると言ったら急いで自分も外出届を出して、僕の後を付いてくる三郎にため息を吐いて振り返った。

「アヤメさんの所!三郎は来なくていいよ」
「やだ、心配だ」
「三郎邪魔」
「うっ、傷ついた。でも行く」

どうにも引き下がらない三郎は、アヤメさんに僕が何かされないか心配らしい。その気持ちは嬉しいんだけど、うーん…。

「三郎、変な事しないでね」
「しないさ、雷蔵の好きな女だし」

このやり取り、前にもした気がするんだけど。全然信用出来ないんだけど。
まぁ、僕にとっての不都合があってもアヤメさんにとっての不都合は彼女自身でどうとでも跳ね除けられるんだろうけど。

「雷蔵って大概面食いだよね」
「三郎もでしょ?…と言うか、僕と好み似てたよね?アヤメさん好みなんじゃないの」
「まぁ、顔は……いやだからそれは本当にないから!第一印象で無理!」

ぶんぶんと顔を横に振り必死に弁解する三郎に、僕はあの壁を思い出す。

「あれ、何て書いてあるんだろうね」
「むしろ私は知りたくない」

僕は知りたいなぁ…アヤメさんを好きなら、知っても傷つくのかもしれないけど…知りたい。

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