最近、ルシウスさんが僕の前の世界を妙に気になさいます。

「家族は?居たのか?」
「居ましたけど」

僕からしたら、目の前に居ない人間でしかも自分が一生会わないだろう人間の話聞いて何が楽しいのか意味不明だ。
高級品なベッドでごろごろしながら答える。

「…仲でも悪かったのか?」
「良かったですよ。皆僕を好きで、だから僕も皆好きでした」
「…」

わ、凄い微妙な顔されました。
仕方ないでしょう、僕、そういう奴なんですから。

「セピア、お前一番好きな奴は誰だ?」
「僕自身ですね」

笑顔で答えると、ルシウスさんは僕の後頭部と枕の間に手を入れ僕の頭を引き寄せた。目を瞑り、触れるだけの口づけを受け入れる。

「二番は、お前を好きな奴全員か」
「ピンポーン」

我ながら珍しく、ケラケラと笑いながら答えると前より乱暴に抱かれた。
自分から答え分かった上で聞いたでしょうに、ルシウスさん酷いです。


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