「あのね、ルシウス。あいしてる」
それが私の口癖だった。
馬鹿みたいに好きよ好きよと繰り返して、見返りも求めずただ純粋に笑っていた。
純粋だった私のまだ飛べた羽をへし折ったのはルシウスだけど、自ら寄って行ったのは私だから、ルシウスだけを責める気はない。
「あのね、ルシウス」
「「あいしてる」」
愛してるにも種類があるなんて事さえ知らなかった私は、おんなじだね!なんて無邪気に笑って堕ちた。
まだ生理さえ来ていない子どもには、二人裸になるだけで意味もわかってないくせに何だかイケない気分で、その後の行為も痛いとか気持ちいいとか変とかでも嬉しいとか、ぐちゃぐちゃな感情をーー
「アモ、どうした?」
「…なんでもない」
だけど、私は呑み込んだ。
その日から、私の口癖はなんでもないになった。