「インフェルノとかどうだ?!」
「…いいんじゃない」

メチャクチャどうでも良さそうな深司の同意により、俺の我ながら色々と問題がありそうだが考える事を放棄した、フレームで返したら地面めり込んだよショットの名はインフェルノに決定した。
ちなみにインフェルノは何語かとか知らんが、地獄やら烈火的な意味だったと思う。たぶん。
そんな地面にめり込むような意味わからん威力のショット受ける相手は地獄のような絶望だろう、てか俺には地獄に感じますという心によりそんな名前にした。

余談だが、後にこのショットを打ち返そうとしたとあるテニスプレーヤーのラケットのガットから、おそらくは摩擦によりなんとバッチリ視認出来る量の火花がパチパチ飛び散る事件が起き(結局彼は打ち返せずラケット吹っ飛んだ)、思いの外名前に沿った必殺技となる訳だが、現時点の俺には知る由も無い。

「…いつか、今の打ち返してやる」

そんな後のとあるテニスプレーヤーことアキラは、放心から立ち直ってすぐ、俺に闘志剥き出しの目で宣言してきた。

「スピード自慢のアキラが目指す方向じゃないと思うけど」
「うっせぇ深司!俺はやるっつったらやんだよ!」
「こっちは正論言ってるのにこれだもんなぁ…本当、単純馬鹿っていうかたまに鬱陶しい」

その声量で言って本当に聞こえないとでも思っているのか、ぼそぼそと喧嘩腰な発言を飛ばす深司となんか俺が火を点けたらしく熱くなってるアキラに、俺は仲裁するべく叫んだ。

「アキラ!そんなことよりお前は前髪切れ!そのままじゃ鬼太郎化するぞ!」
「うっせぇえええ!もう絶対切らねぇからなバカ!」
「何でだよ?!そして深司は正統派イケメン過ぎるからお前は逆にもっと髪伸ばせ!お前のキューティクルを際立たせろ!」
「別にいいけど…」

結局、俺はその日最後まで二人がテニプリキャラな事に気づかないまま帰宅した。
俺がそれに気づくのは俺が中二、二人が中一の時なんだが、それはまぁおそらく後々俺の口から語られるであろう。おわり。


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