俺とてこんな事は言いたくないのだが、俺の幼なじみかつ大親友の彦にゃんこと今福彦四郎は若干電波ってると思う。

「楽、僕絶対海にだけは近づかないでねって言ったよね…?」
「ぎゃん!ごめんなさいすみません彦にゃん!でもね、俺ってば海が大好き!だからそのお願いは聞きかねます!いいじゃん、俺だって冬明け直後の海には入らないよ!」
「僕さ、海に打ち捨てられた、両足斬られて腸飛び出したボロボロなお前の死体が忘れられないの。いたいけな一年生にそんなトラウマ植えつけたくせに、それはないんじゃない?」
「だから毎回何なの、その斜め上の次元からお送りされる脅し方?!」

聞きました奥さん。怖いでしょう?この子、俺の幼馴染みなんですよ?6、7歳ぐらいまでは彦にゃん何言ってんだろう?変なのー。で流してたけど、中学入学式の今日までこんな話だなんて…やだ、先が思いやられちゃうっ!

申し遅れた。俺の名前は赤羽根楽。良い名前だろう?
彦にゃんとは物心つく前から一緒に居る。それ即ち腐れ縁。まぁ彦にゃん好きだからそうじゃなくても一緒に居たけど。

「あ、そう言えばさ彦にゃんよ、庄ちゃんの言ってた大川学園?あれ有名私立校だろ?」
「うん、そうみたいだね」
「庄ちゃんはそこ行くの?」
「大体は皆行ってるんじゃないかな。…僕と楽は、行かなくていいの」

皆ってどの皆?小学校のクラスメートで行くって行ってる奴はー…あー、あれだ。きり丸ぐらいだったけど。
まぁ彦にゃんが行かんでいいと言うのならいいのだろう。彦にゃん頭良いし。

「彦にゃん海行きたいよー」
「だーめ」

彦にゃんのこの教育ママみたいな俺への厳しさ、甚だ遺憾である。ところで遺憾ってどういう意味?

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