「彦にゃあぁん!」

俺は空気を読まず、てか読まなざるを得なず知らない大人にきゃんきゃん吠えてる彦にゃんに脱いだシャツと学ラン片手に突撃アンドダイブした。
ソファー椅子に座っていた彦にゃんが俺による突然の衝撃に耐え切れず俺に押し倒される形で横に倒される。

「彦四郎?!」

驚く大人が彦にゃんの名前を呼んだ辺り、やっぱり知り合いらしい。
そんな事より、俺はさっさとこの安価を終わらせる…!そして何事も無かったかのように彦にゃんと大人の仲裁をする!
彦にゃんに突撃して何をしゃぶるのかなんて、安価に書いて無かったもん!ポテトをしゃぶったって許されるはず!俺ってば天才ね!

「楽」

半裸で彦にゃんを押し倒したままポテトをしゃぶり出した我ながらキチガイ染みた事をする俺に、彦にゃんは何故か切なそうに俺の名前を呼んだ。
ええっ?そ、そういう場面だった?あり?

「…君は、まさか××なのか?」

普通の声量で滑舌も良く聞こえたはずのその言葉が何故か俺はまったく聞き取れなくて、彦にゃんを押し倒した態勢のまま顔だけ後ろに捻り大人の顔を見た。
大人は驚愕の顔で俺を見ている。…うん?あ、今の俺に言ってた的な?

「えーっと、よく聞こえ、」
「関係無いでしょう。この人が、あの人だったとして、何ですか?自分の罪悪感を減らしたいから懺悔でもしますか?そんなの迷惑ですよ。僕達、今、とても楽しく暮らしているんです。…ッ邪魔を、するな」

?!
よくわかんねぇけど彦にゃん怖ぇえええ!ぞくっとした背筋がぞくぞくって…!キレてるっ!彦にゃんがキレてるわっ!俺が彦にゃん押し倒してるせいで俺が彦にゃんに殺気立てられてるみたいになってるっ!怖いっ!

「それで…許されると思っているわけでも、彼女にした事やお前にした事が許されると思っているわけでもない。だが、」
「だが?謝りたいって?嫌です無理です有り得ないです拒否します拒絶します。お前等の心がほんの少しでも軽くなるなんて、考えるだけで虫唾が走る」

ひ、彦にゃんの罵倒酷ぇ。そして今の俺の状況意味わかんねぇ…彦にゃんから退くタイミング完全に逃した。どうすんだよこれ…。

「彦四郎、楽!ごめん、遅れ…土井先生?」

庄ちゃんという名の俺の救世主キター!

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