「よう」
「…どーも」
この二年間散々避けて来た跡部と屋上で二人ランデブーなう。怖いなう。
早めに来たはずなのに既に跡部待ってたよ。今日のちょっと強めな風が良い感じに跡部の髪とワイシャツやらネクタイやらはためかせて、凄い映画とかのワンシーンっぽくなってるよ。イケメン爆発しろ。
「昨日は悪かったな」
「あ、いや本当あれジローのせいだし、跡部は気にしないで」
むしろ本当にそれだけの要件だったとしたら呼び出したりしないで。ぶっちゃけそっちの方が迷惑。
「お前、日達朔人だろ」
?!
何で俺のフルネームを知って、…いや待てよ?こういう展開知ってる。俺何度も読んだ事ある。夢小説とかでよくあるじゃんほら、跡部様は全校生徒を把握しているのだ。
「うん、よく知ってるな」
「色々とお前の噂は耳に入るからな」
?!
え、誰だし俺の噂した奴…岳人とジローか、普通に考えて。萩もちょっとあるか?後、しいて言うなら極たまに亮さん。鳳君はプライベートでまで話されるような仲じゃないし、若もわざわざ話題にするキャラじゃない。
「進によく聞いてるぜ。随分とテニス上手いんだってなァ?」
伏兵ぃいいいいっ!まさか、まさかすぎるだろ?!え、進?!何でアイツ此処で出しゃばってきた?!しかも一番言っちゃいけない話題を一番振って欲しくない人によく言い聞かせてるとかはぁあぁあ?!
「テ、テニスならしねぇよ?」
「安心しろ、強要はしねぇ」
え?
俺はきょとんと跡部を見返した。俺様何様跡部様なら、いいからテニスコートに来いとか言われると思ったんだが。
「…無理矢理勝負したところで、つまんねぇだろうが」
ああ…ああ、跡部景吾。そう、跡部景吾はそういう奴だった。だから、俺は、
私は、