「あれ、朔人?」
どきーん!
進と話していたら聞こえた、俺を呼ぶ声はそれはそれは聞き覚えのあるもんで、てかアナタの話を今していたわけで。
俺は若干焦りながら振り返った。
…やだ、朝から萩の笑顔が眩しいっ!綺麗かわいいっ!
「お、おお、はよう!萩!」
「あはは、何でそんなどもってるの?おはよう」
ちくしょー、なんて爽やかにかわいいんだ!
「それで、何で朔人が此処に…あ、進に用事か」
「そうだ萩!なんかさ、朔人変なんだよ!萩がな、」
「あぁああぁああッ!!進君ちょっと黙ろうか黙って此方に来ようかぁ?!」
俺の全力の引き摺りに痛いと喚く進を無視して、俺はテニスコートから死角となる木の裏に進を引き摺りこみ、男女ならロマンティックが始まりそうで男同士ならお話し合いの体勢である、顔の横に手をつくという行為をしながら早口に捲し立てる。
「え、何お前萩に言おうとしてんの?ふざけてんの?言ったらそれはもう容赦ない俺の顔面パンチだけど言う?それでも言うの進君?」
「い、言いませんっ!でも何で朔人さんキレてんの?!」
貴様に萩に間接告白されそうになったからに決まってんだろうがしね。