「寒い!」
「煩ぇ寒くねぇ…ッ!」
「何でお前いきなりキレた?!」

岳人が教室で叫んだ言葉に、俺は岳人の机を蹴り飛ばした。
周りは俺の突然の行動に、若干距離をとって野次馬している。

「これだから関東人は…っ!お前、雪も全然降らないような地域にお住まいのくせにどの口がんなこと言ってんだバーロー!」
「何でお前がそれを怒る?!」

んなもん、俺の前世が雪かきに苦労し除雪されていない歩道に舌打ちし雪虫マジ撲滅を合言葉に生きていた、北の民だからに決まってんだろうがあぁあああ!
電波扱いされたくないから言わないけど!

「はい、これから寒いって言った奴は皆本人に向けて跡部をアホベ様と言い間違えてくるor忍足をおしぼりと言い間違えてくる罰ゲーム施行しまーす」
「え、クラスで?クラス全体巻き込んだ話かよ?!」
「当たり前だっ!毎日毎日大して寒くもねぇのに寒い寒い言いやがって、テメェ等全員イラッときてんだ!」
「何コイツ自分勝手過ぎる」

若干引いている岳人は置いておいて、他のクラスメート達は俺の謎の迫力に気圧されているようで、まぁ仕方ないかという雰囲気が流れている。
俺がこのクラスを占領した!俺がボスだ!…すまん、言ってみたかっただけだ。

「そういや、朔人寒さには強いよなぁ」
「おう」
「夏真っ盛りの時は死んでたけどな」

煩ぇ!寒さに耐性ある分、暑さにはねぇんだよっ!ぶっちゃけ転生してから頭文字Gの彼を初めて見た時、半泣きどころか五分の四泣きしたからなっ!ほぼ泣いてたからなっ!

「そう考えると、お前跡部と似てんじゃね?」
「え。なん…だと…?」
「跡部も寒いのは平気な顔してるけど、暑いのは外で平気な顔して部室でへばってるぜ?」

…何それちょっと見たい。
跡部さん何なの、そうやって可愛いとこ見せてギャップ萌えって言われる作戦なの?

「跡部好きじゃなかったけど、一緒にロシア旅行行きたいかもしれない」
「飛躍凄ぇな」

まさか俺のこの些細なボケが、後に物凄い結果となって帰ってくるなんて、この時の俺は想像もしていなかったのであったたたたぁ!

             


「#学園」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -