学生の絶対的な味方、夏休みです。ただし休み終わり間近には山積みのやってない宿題を死ぬ気で片付けるのは、もはや夏の風物詩ですね。
最初に片付けちゃえる人、本気で尊敬するよ。俺、提出物とかもいっつもギリギリに提出してるもん。
「「お邪魔しまーす!」」
「ただいまー」
そんなこんなで、岳人の家です。今日は楽しい氷パーティーです。
さすがに氷帝通ってるだけはあって、一般水準よりちょっと上なお宅。むしろ氷帝の一般はこんな感じなのか?
「とりあえず部屋行くか?」
「いや、とりあえず妹だろう」
「俺先に部屋行って寝てるねー?」
「何なのコイツ等」
俺とジローがそれぞれしたいことを優先させた結果、岳人に二人揃って真顔で何ともいえない目を向けられた。
「仕方ないだろう岳人。お前の妹は俺の彼女候補だ」
「何だよそれ?!俺が嫌だからやめろ…!!」
お兄様に全力で嫌がられました。何という前途多難。
「てか妹出掛けてるし」
「引き留めろよ…!」
「何でだよッ!」
まったく岳人は気が利かないな、そんな男はモテねぇぞ?と呆れつつも、それを口に出すとせっかくの氷パーティーで俺だけシロップが中濃ソース、とかになりかねないのでやむなく不満な顔は隠さないが黙った。
「まぁ、いいけどさぁ。俺のタイプ、大和撫子もしくは色っぽい姉ちゃんだし」
「おう、ならうちの妹はねぇわ」
「デスヨネー」
岳人の妹とか、かわいくても元気系しか想像できねぇもん。でもさ、タイプ、タイプじゃない置いといてもかわいい子がいるなら目の保養したいのが男なんだよ。
「ほら、さっさと部屋行くぞ!」
「はーい」
まぁ、今日のメインはうっかり自分が照り焼きになっちゃいそうな夏の暑さを凌ぐ皆の味方、かき氷さんだしな!
「ジロー、氷パーティー始めんぞー!」
「ぞー!」
ジローを呼びに、岳人の部屋に二人で入った俺達は沈黙した。
「「コイツ本当に寝ていやがる」」
岳人のベッドを我が物顔で占領して眠る羊さん、もといジロー。
ジローさん、お休み三秒にも程があります。