「そういえば、朔人って何でテニス部じゃないんだ?」

俺が早弁してたこさんウインナーをもぐもぐしていると、岳人がさも不思議そうに聞いてきた。
…。

「それ、俺も思ってたCー!」
「うぉ!ジロー、いきなり出るなよ!」
「え、岳人ビビったの?ビビったの?」
「ビビってねぇよ!ぶん殴るぞ?!」

岳人とジローが目の前できゃんきゃんと喧嘩するのを見ながら、俺は小さくため息を吐き、そして力を込めて机を叩いた。二人が肩を跳ねらせて此方を見る。ついでに意図せずクラスの視線を集めてしまったが、それは気にせず薄く笑った。

「何でお前等はそう、俺をテニス部にしたがる」
「いや、したいって言うか…まぁしたいけど、なぁ?」
「朔人、進ちゃんと幼なじみなんでしょ?朔人なら流されて入りそうだCー」

ジローの言葉に納得がいって肩の力を抜いた。成る程ね、確かに漫画知識なかったら俺は流されてテニス部になってそうだわ。

「跡部と忍足が嫌ー」
「あぁ、言ってたな。二人とも万人に好かれるタイプじゃねぇし仕方ねぇか」
「えー?!跡部も忍足も面白いのにー!」
「別に悪口とかは言わねぇから、気にすんな」
「えー…」

まだ不満げなジローに、こればっかりはなぁと苦笑する。正直、此方は岳人とジローと仲良くなっちゃったのだって本当は危険信号なんだよ。
もちろん、生理的にアイツ等は無理だろうという偏見が八割から九割だが。

「じゃあじゃあ!宍戸は?俺と岳人の幼なじみなんだけど、いい奴だCー!」
「いや、友達は自分で作ります」
「でも朔人、友達少ないよな」
「傷ついた。今の岳人の言葉で心に一生癒えない傷を負った」

岳人さんは良くも悪くもストレートですよね。俺、泣きそうです。
泣き真似をしていると岳人にうざいと頭を叩かれた。なんて奴だ。

「友達増やそうよー」
「断るー」

このジローとの攻防は休み時間の度に続いたが、昼休みになって昼飯を食べたジローにいつも通り睡魔が襲ってきたことによって、俺は勝利した。
ちなみに岳人は面白そうに俺達を傍観していた。ムカついたので今度何か仕返しをしようと思う。

             


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