今日もいつも通り机に伏せながら意識半ばにSHRで先生の話を聞いていると、後ろから岳人にシャーペンで突つかれた。これ、何気にかなりうざいと思う。

「朔人、お前委員会何にするんだ?」
「岳人…この俺が委員会なんてやると思ってんの?」

まったく、岳人は俺の事もう理解し切ってると思ったのによう。と、俺はわざとらしく呆れてみせる。

「は?氷帝は委員会強制参加だぞ?」
「え」

…岳人さんの呆れ顔に胸が痛いです。だって知らねぇし。そんなん知らねぇし。
委員会とかそういう重要な仕事は責任感が大事なわけだから、生徒の自主性もとい内申に掛ける思いを重んじるべきで、全員強制参加とかよくないと思います!ぶっちゃけ面倒なだけだから廃止しましょう!よし、生徒会に告訴だ!跡部が次の選挙で生徒会長になる前に廃止するぞ!
…まぁ、冗談はさておき、

「岳人は何やんの?」
「運動活動委員」
「…さっぱりわからん。何か黒板に書かれてる委員会名に聞き覚えがない」

校外活動委員って何。海外交流委員って何だ。
氷帝怖い。金持ち怖いよ。

「運動活動委員会って、仕事何?」
「球技大会とかの手伝いしたり、普段の体育で先生の手伝いしたり」
「あー、わかったわかった」

それならわかる。…んー、未知の領域の委員会やるよりは、活動内容に覚えがあって友達もいる委員会に入った方が無難かな。

「俺もそれにする。岳人名前書いてきてー」
「いや、朔人が行け」
「いやいや、どうぞ岳人さん」
「いやいやいや、朔人さんに譲ります」
「いやいやいやいや、俺今この椅子から立ち上がれない病なんで岳人さん」
「いやいやいやいやいや、俺はこの椅子に行かないでって泣きつかれてるんで」

俺と岳人は睨み合った。その内容が凄ぇくだらないのはわかっていても、それでも睨み合った。

「岳人、たまには突き放してやるのも優しさだと思うぜ?」
「突き放すとこの子自殺するから。無理だから。朔人こそ、病は気からって言うだろ?ちょっと一回立ち上がってみろよ。ほら、クララ」
「気合いじゃどうにもならないこともあるんですー。お前のそういう中途半端な優しさが、またその子を泣かせるんだよ」

俺達が低レベルな口喧嘩を繰り広げていると、俺達の席のすぐ近くに誰かが立ち止まった。二人して見上げると、それは同じクラスの女の子佐藤さんだった。

「二人とも名前書いてきたけど、運動活動委員で間違いなかった?」
「「ありがとうございました」」

何だか自分が恥ずかしくなった。

             


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