昨日の夜、存分にジンギスカンを堪能した俺は機嫌良く学校に行った。
教室に着くと何やら向日が大勢の多分クラスメートの男子に囲まれていて、俺は思わずその中に突入した。

「リンチはよくない!リンチはよくないぞっ!確かにそりゃ向日は何でお前そんな色にしたしって髪色だし、何でお前そんな髪型なんだよって言いたくなるのもわかるし、女みたいな顔で身長も低いけど、いい奴だ…!」
「よし日達、歯ァ食い縛れ」
「何で?!」

俺の誠心誠意必死の弁護に、何故か向日はこめかみをひくつかせて殴りかかってきた。ギリギリかわすと舌打ちされる。
何で俺そんな怒られてんの…?

「普通に話してただけだし」
「あ、そうなんだー。でも珍しいな」

クラスメートとの交流も大事だもんなぁ、と納得して頷いた。でも普段向日は俺と後数人で盛り上がってるし、なんかきっかけ的なものがあったのでは?とオブラートに包みまくって聞けば、向日は嫌そうな顔をした。

「ちょっと幼なじみに面倒な頼み事されたんだよ。それで聞き込み調査」
「へぇ…幼なじみって言ったらー、ああ、宍戸とジ…芥川だっけ?」
「よく覚えてたな。面倒押し付けて来たのはその芥川の方」

向日の言葉に無駄に焦りながら、俺実は天才だから!なんて茶化しながら言う。まぁ、一応前世じゃテニスの王子様愛読してたしなぁ。
宍戸は宍戸さんって呼んでたからまだいいけど、芥川はジローって呼んでたから違和感。今は俺と一緒で三次元で実際に生きてるんだから、キャラとか関係ないけど。
それでもテニス部と関わる気はないんだけどな。

「聞き込み調査だっけ?何か落とし物?」
「いや、落とし物ってよりは…お供え物?」

お供え…?何だろう。今の向日の言葉が激しく引っ掛かるんだが。
あれ、何で俺一気に汗だくになってんだ?まだ夏には早いぞ?

「日達は知ってるか?昨日ジローが寝てる時にポッキーやった奴」

俺とは言っていない、向日は俺とは言っていない…が、

テニス部と関わり合いたくないとか言いながら、何自らフラグ立ててんだ俺。

             


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