「よっしゃ!これで三年間同じクラスだな!」
「これからもよろしくっ!」

俺と岳人はハイタッチし、友情を確かめあった。ああ、何かこういうのを親友って言うのかも。前世で女同士の時もこういうノリはあったけど…やっぱ違うな!

「ジローが拗ねそうだな」
「確かに!まぁ、C組なら体育は一緒だろ?」
「それでもそろそろ乗り込んで来そ」
「二人一緒なんて狡いCー!!」

噂をすれば。
ジローは岳人の言葉を遮りD組のドアを勢いよく開け放った。それからズンズンと俺達の方に歩いてくる。

「仲間外れとかひっでぇ…!」
「いや、クラスは俺達が決めたんじゃないからな?」
「ジローも宍戸とは一緒だろ?」

んな文句言われても困る。俺が逆の立場だったら同じような事した自信あるけど。
ところで岳人の言った宍戸って誰だっけ?…ああ、あれだ。後のテニス部レギュラーだ確か。二年の…鳳とダブルスで、そうそう宍戸さん。漫画知識忘れてきたなぁ。

「でもー!ずるEー…」
「拗ねんなよ。去年と変わんねぇだろ」

まぁ、確かに言われてみりゃそれもそうだな。去年もジローだけクラス違かったし。
だがジローはやっぱり納得できないらしく、完全にいじける体制に入っている。人のクラスの隅っこで体育座りすんなー。
あ!うん、いい事思いついた。

「じゃあジローは親友の契りを交わさなくていいんだな?」
「親友の、ちぎり?」
「そっ!親友になりましょうっていう契約?みたいな」

岳人もジローと一緒に何だそれと言わんばかりに俺を見てくるが、そこは空気を読んで合わせてくれ。

「今ハイタッチしたら、ジローは俺と親友だ」
「マジマジ?!えー、じゃあハイタッチしよう!がっくんも!」
「は?三人でかよ?!」
「もうハイタッチじゃねぇよ!変な儀式じゃんっ!」

俺は笑いながらも両手を上げ万歳の体勢をとった。ジローが目を輝かせる。

「じゃあ、せーの!でハイタッチな!」
「おう!」
「待て。ジロー、朔人、俺に拒否権は?」
「「無い」」

綺麗に声が合わさり、三人で爆笑する。箸が転がっても面白くは無いが、落ちた箸が偶然何かに立てかかったら爆笑しちゃうお年頃だからな!

「せーのっ!」

ジローの掛け声と共に、全員渾身の力で相手二人の掌を叩いた。

「ちょ、痛ッ!マジで痛ぇ!もうこれ今日シャーペン使えん!」
「し、親友になるのって大変だCー…!」
「何で示し合わせたように全員全力なんだよっ!」

こうして俺達三人は、初日から手のひらの痛みと戦いながら中二時代を開幕した。何これまるで格好つかない。

             


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