氷帝では、二年に上がる時クラス替えがありそれからは卒業までクラスが固定される。
つまりあれだ、誰かしら一年の時仲良くなった奴居てくれ。頼む、お願いします。これで跡部と忍足の両方と同じクラスになった日には、登校拒否するかもしれん…!

「おう、朔人」
「…あ、亮さん!」

憂鬱な想いで掲示板までクラス発表の紙を見に行こうと思った所で、亮さんに会った。なんか久しぶりだな。相変わらずの爽やかイケメン兄貴。さらさらのポニーテールが眩しいっ!

「どうかしたか?空気重いぞ」
「いや、はは…ただクラス替えに気が重いだけさ。はははっ」

心配してくれている亮さんに、俺は我ながら中々の空笑いを披露した。亮さんって、なんか相談したくなる雰囲気があると思う。
亮さんは不思議そうに俺を見て、何かを思い出したようにああ、と呟いた。

「朔人か…確か、俺の隣のクラスだったな」
「マジで?!」

神は俺を見捨ててはいなかった…!亮さんが隣のクラス!一緒じゃないのは惜しいが隣!なんか多少辛い事があっても耐えられそうな気がするっ!休み時間に相談に行こう!ただし忍足は同じクラスであった、とかでも耐えられる気がする!でも跡部は無理!

「後、朔人は向日と同じだったな」
「マジでえぇええ?!」

やった!俺の中学生活先行き明るい!俺は上機嫌で亮さんの腕を掴み、掲示板まで走っていった。抗議する亮さんには悪いが、今度購買のパン奢るから許せ!

「マジだあぁああ!」

クラス発表の紙に輝く、C組の欄に俺と岳人の名前…!しかも隣のD組にはジロー居るし!で、亮さんもなんだろ?!近くのクラスに跡部も忍足も居ない!薔薇色の学園生活!いや、BL的な意味じゃなく!

「…朔人、興奮してるとこ悪ぃがもう教室行かないと遅刻だぞ」
「マジかあぁああ!」

クラス替え不安過ぎて中々学校に行きたくなかった結果遅く来たのが祟り、亮さんに言われて時計を見れば確かにそろそろヤバい。

「ごめん、亮さん!」
「構わねぇよ。ほら、早く行くぞ」
「兄貴ぃいいい!カッケーッスぅううう…!」
「煩ぇ!!」

亮さんに頭を殴られ、俺はお口にチャックで走った。
クラスの前でお礼を言って別れ、D組の教室に滑り込む。

「おっせぇよ!」

すぐに笑いながら言う岳人の姿が目に飛び込んできて、俺も汗だくで息を切らしながら笑い返した。

             


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