帰り際、校門前で野垂れ死んでいる奴が居た。うつ伏せでそれはもう堂々と倒れ込んでいる。心配そうに通り過ぎる奴と完全スルーで通り過ぎる奴と遠巻きに見ている奴が居る中、俺は思わずこう言った。

「やっぱりツッコミ待ちなのか…」

あの髪、雰囲気、何よりあえてうつ伏せで堂々と寝る様…屋上で会った羊で間違いない。どうやったらこんな所で寝られるんだ。実は精神の修行か…?

「んん…っ」
「お?」

寝言のように唸った羊に、流石にあまりの寝心地の悪さに起きるとかせめて仰向けになるとか、何かしらのアクションを起こすのかと俺は注目した。

「むー、」

何だろう、魘されてるのか?いや、そりゃ魘されもするだろう。環境的に。

「すぽっき…」

すぽ…え?あ、ムースポッキーか?……食い物かよ…!もっと他にあるだろ!
だが、今日の俺は本当に偶々だが運命の悪戯の如くなんと抹茶のムースポッキーを持っていたりする。俺は鞄からムースポッキーの箱を取り出し、それをじっと見ながら考えた。

「一袋だけだぞ」

俺は仕方無く箱から一袋だけ取り出し、羊の横に置いて手を合わせた。羊の神様かなんかがお供え物に感謝してご利益が、とか無いかな。うん、あるはずねぇわ。
とりあえず今日の夕飯はジンギスカンで決まりだな。買って帰れば母さんが作ってくれるだろうから、俺はスーパーに寄り道してから帰った。

             


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