もうすぐホグワーツも休暇に入る。つまりリドルも最高学年だ。そしてそれも終わったら、闇の帝王としての活動が本格化、かな。
「私はどうするかな…」
リドルもエバンもアルファードも居ない部屋で、ベビーピンクのクッションに埋れながら独りごちる。その姿は猫ではなく人だ。
勿論、闇の帝王となるリドルの側に居続けると違った想いは違わない。だが、問題はその形だ。
本当にリドルの力になりたいのなら、どう考えても人としてリドルの部下になるか猫のリーラは魔法で人間になれるし、前世では闇の女帝と呼ばれていた女だと教えてしまえばいい。でもそれでは…何も意味が無いのではないだろうか。私におんぶ抱っこで闇の帝王なんて、笑い話もいいところだ。
それに、私はアルファードに死んで欲しくない。あんな面白い反応をする玩具はそう居ないし、気に入ってるんだ。私はアルファードを殺せと命令されたら従わない。むしろ助ける。
…違うな。それよりそもそも私は、リドルに命令されたくないんだ。
私は、リドルと対等で居たい。
なら私の決断は…私は一生リドルには、お前にだけは、
「ただいま、リーラ」
おかえり、リドル。
「にゃー」
ドアが開く寸前に猫の姿に戻った私は駆け寄った。
お前と私はこれでいい。
お前と私はこれがいい。
「にゃあ」
お前には、私が喋れる事も人となれる事も魔法を使える事も強い事も闇の女帝と呼ばれていた事も、何もかも話さない。
他の誰にバレてもお前にだけは、ずっと永遠に死んでも。
私は猫で、お前は飼い主。
けど、ただ友人だ。何より先に。
だから今の私と今のお前で対等に隣合おう。
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