何時の間にやらホグワーツも終業が近いらしい。時間にそう気を使わない生活をしていると色々狂うな。
…さて、つまりホグワーツは長期休みに入る。私はどうしようか。

実は、私はもうリドルの世話にならなくとも好きに生きていけるレベルの魔力が戻っている。
以前、私は前の一割無い程は魔力が戻っていると話したが、それだけあれば大人の魔法使い数人相手取ってもまず勝てる。
それなりに犯罪に手を染めれば一人暮らしは余裕だろう。

「リーラ、何か欲しいものある?」

…まぁでも、この捻くれた、猫相手にぐらいしか心を開けないリドルを一人にして居なくなるってのも…後味が悪いしな。
ちなみに欲しいものは特にない。人間の頃から物欲はほぼ無かったしな…あの頃あった支配欲、征服欲さえも冥土に置いてきてしまったようだし。
やりたい事がないというのも考え物だ。しばらくリドルの人生に付き合ってやるというのも悪くないか。

「…無さそうだね」
「みぃ」

ああ、そんな訳で私はお前に付き合ってやる事にしたから、露骨に機嫌とろうとしていないでとっととその理由を話せ。

「…」
「…」
「母親の、家が見つかったんだよね。マールヴォロ家」
「…」
「休みの間にちょっと行ってみようと思ってて…行ってどうするとか、まだ決めてないけど」
「…」
「別に、母親に未練はないしそもそも記憶にも無いけどさ、血は繋がってるんだし、スリザリンの血縁だし…行ってみるだけ」

そうか。

「にゃあ」

まぁ、何があってもしばらくはお前と共にいてやるからお前は大船に乗った気で居ろ。
サラザール当人なら未だしも、今の状態であろうとスリザリンの血縁程度に後れをとる私ではないからな。
何かあったら、私が捻り潰してやるよ。

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