僕は保健委員らしくないとよく言われるが、実は保健委員だったりする。

「七松先輩って…」
「うん?何だ渡一!」
「…何でもありませーん」

毎回毎回僕が当番の時だけ保健室に治療に来る七松先輩に言いかけて、やめた。僕がモテるのは今更だ。そんで他の保健委員程、僕は怪我に煩くない。

「そういえば、天女様が渡一のこと捜してたぞ!」
「…僕、見ての通り仕事中ですのでー」
「そうだな!渡一は今私の手当てに忙しい!」
「はい、そうですとも」

秘密を共有し合うように、七松先輩と笑い合う。七松先輩は天女様好きだけど、僕のことはいっち番大好きなんですよーだ。べー。
ちなみに天女様は僕が好きらしいけど、僕は女なんてみぃんな大っ嫌いなんで。
ついでに僕がたまたま天女様と遭遇したりしないのは、僕が避けてるかつ僕は別に不運じゃないから。保健委員で僕は唯一不運じゃないのです。
もう不運は、使い果たしちゃってるので。

「渡一は相変わらず女が嫌いだな!よし、私と付き合おう!」
「脈絡無さすぎですよ七松先輩ー。てか、よく勘違いされますけど別に僕男色じゃありませんし」
「私は渡一だからいいんだ!」
「そりゃどうも。僕は学園らぶです」

つまり僕は男を愛してはいないけど、女、取り分け天女が嫌いなわけです。



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