Prologue

書いては書き直して、また書いて、でもまた消して、携帯電話を見つめたままもう何時間経っただろうか。
最後の文面が決まらない。

ごめんなさい、本当はまだ好きです。もう少しだけ好きでいさせてください。


早く新しい恋見つけようと思います(笑)


じゃあ、元気でね!



…好きです。

ボロボロに涙を流しながら、結局最後の文面が決まることはなく、何も付け加えずむしろ全文面をありきたりで簡素なものに書き直し、震える手でメールの送信ボタンを押した。

‐送信完了しました‐

無機質なその文字が携帯の画面に映し出され、喪失感に呆けた。

これで終わり。
嘘吐きな私の小さくて下らなくて馬鹿みたいで最低で…でも、真剣に恋をした物語は――おしまいだ。

                


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