最近、俺には新たにお友達が増えてばんざいばんざいだったわけですが、何かあの気づいたんだけどさ、その新しい俺のお友達変じゃね?なんかおかしくね?
「なぁ、兵助っち。俺って勘右衛門と同室だったっけ」
「うん」
え、あっさり肯定された。おかしいな、俺の記憶では一年からずっと兵助さんと同室で交流を深めて来ていたと思っていたのですが。何これ記憶障害?記憶置換?
「何故か俺等の部屋布団が一つしかなくてさ、何故か同じ布団で寝てんだけどこれって変よね?」
「別に」
えぇえええ。肯定して欲しかった!兵助さん、今度は俺、肯定して欲しかったのですが!
「じゃ、じゃあさ!何か勘右衛門が消灯後に永遠と俺を褒め称える言葉を吐き続けるせいで最近俺寝不足なんだけどこれは、」
「仲良いな。良かったじゃないか」
なん…だと…。
よく見れば、兵助死んだ目してない?光無くない?
「兵助さん、勘ちゃんと何かあったりとかは、」
「特に。しいて言うなら毎日の積み重ね。あのさ、名前は勘ちゃんの事好きだよな?」
「う?うん」
「じゃあさっさと勘ちゃんのとこ行って交流して親友になって一線越えるのだ」
「お?おう?」
一線…?兵助は俺にはまだ勘ちゃんに対して心の壁があると仰りたいのかな…?
それにしても妙に投げやりな命令形じゃね?
「お前がそうやって変に俺に相談したら余計……何か起こるぞ」
「何か?!何か起こるの?!」
「ああ、だから俺の為というか何よりお前の為に早く、勘ちゃんのとこ行って来い」
「ぜ、全っ然わからないけどわかった…!」
全然わからないけど急かされた俺は走った。
「勘ちゃん!!」
「ん?にゃに?ほーひはの名前」
部屋に帰ると、普通に勘ちゃん居た。団子咥えながらきょとんと首を傾げる勘ちゃんは行儀悪いけど癒された。俺の兵助に脅され怯えた心が癒された。
俺はとりあえず勘ちゃんの咥えていた串を奪い残った団子を食べる。やだこの団子おいしい。
「名前って……」
「なに?あ、これうままー」
文句を言いたいのだろう事は容易に予想がついたが、俺の全開笑顔でその気を削いでやるという狡猾な俺の戦略!
勘ちゃんは少し顔を赤らめ怒りながらも、諦めたのか一口お茶を啜った。
と思ったら噎せた。
「?!ど、どうした勘ちゃん無事か?!」
「っえほ、だ、大丈夫…」
自分の胸を叩き息を整える勘ちゃんに、俺はどうしようとおろおろした後、手持ち部沙汰なのでとりあえず勘ちゃんの頭を撫でてみた。
「ちょ、あーっもう!」
すると勘ちゃんは一瞬固まった後ぱたんと横に倒れ、そのまま転がるとうつ伏せになり座布団に顔を埋めた。
「名前すきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすぎてころしたい」
「殺さないで?!」
懐からくないを取り出したかと思えば座布団に突き立て抉り始めた勘ちゃんに、俺は座ったまま少し後退り怯えた。
俺ってば勘ちゃんに好かれてるのか嫌われてるのかよくわかんない!
ところで兵助の言ってた心の壁は壊せたかしら!今日はちゃんと、快眠出来ると良いな!
お題:
baby pink様より
200000打お礼フリリク、佐藤様へ