男主短編 | ナノ




※管理人は沖縄弁がまったくわかりません。間違いだらけでしょうが見逃してください。







神様という生き物は実に気まぐれだ。ある日俺をトリップさせてくれた、嬉しい!



なんて思うわけねぇだろうが!ふざけんなっ!!てか何であえてのテニスの王子様?!もっとあっただろ!
いちご柄パンツの偉大さを知る、美少女だらけの映画作成ちょいえろ物語とか!裸の美少女に求婚されることから始まる、トラブルっちゃってる若干地球人じゃないことなんて気にならないぐらい美少女だらけの学園ちょいえろ物語とか!別誌なら、学園ものと見せかけて戦闘しまくる、ヒロインの姉妹が巨乳で美人過ぎる、もう最終的に学園とかそういう規模の話じゃなくなってる美少女だらけのバトルな日常ものちょいえろ物語とか!
あっただろ?!何でテニスの王子様だよ?!テレビで越前南次郎見た瞬間にリアルに何でやねんって叫んだわっ!この話女の子過疎ってんじゃん!しかもまだかわいい子は中一?!こちとら大学生でロリ趣味はない!よって俺の楽しみもない!ざっけんな!

「平古場、お前髪だけマジ美少女。惜しい。そして何故人ん家のピンポンを連打する。今日こそは無視しようと思ってたのに、50回も鳴らすとかどんだけ」
「暇ばぁ。かまってくぃみそーれー」
「標準語を身につけてから出直せ」

俺は平古場の言葉を切って捨てた。現地語謎過ぎる。いや、気づいたらなっていたとはいえ、今や俺も沖縄の住民なんだから俺が慣れるべきなんだろうが…だが断る!
とにかく、俺は学校に行く気のなさそうな金髪の不良中学生男子を腕を組んで不愉快に見る。だってここで俺が家に入れたら後々問題になりそうだし。平古場の母親がモンスターペアレントだったらどうすんだよ。

「名前みーち、あしばな?」
「…」

どうしよう、まったく意志疎通ができない。通りすがりの沖縄弁も標準語もペラペラな美女が助けてくれたりしないかなー?そしたら平古場放置して親睦を深めるんだが。

「名前みーちぬふらー!」

締め付けるように抱き締められ、られ…いや、マジで苦しいんですけどっ!何コイツ、俺のこと絞め殺そうとしてんのか?!見かけによらず力強いし!
そもそも何で平古場が俺になつくのか、まるで理解できん。俺は数ヶ月前、家の前で行き倒れていたうつ伏せで体型もジャージでよくわかんない状態の平古場に、スポーツ美女とのフラグきたぁぁああ!と思って迷わず家にお持ち帰りしようとして、抱き上げた瞬間男だとわかりテンションがた落ちだったけど、一回抱き上げたのに放置すんのは人としてちょっと良心が痛んだから雑に介抱してやっただけだ。

「あ、でも新発見。この態勢だと平古場の髪と若干背中しか見えないから、視覚的には女みたい。ちょっと燃える」
「…」

無言でさらに絞められた。何だ、そんなに俺が健全な変態なのが気にくわないか。なら離せっての。

「ふらー」
「お前よくそれ言うけど、何なの?鳴き声?」

若干平古場の扱いが適当になってきた気がしないでもないが、二限が始まるまでの貴重な朝の時間を費やしてやってるんだ。俺は十分に優しい。
いい加減離れろと平古場の体を押せば、拍子抜けな程あっさりと離れた。
と思えば、顔が近づいてきて……て?

「感想や?」
「…お前、何気に顔も綺麗だな」

俺は平古場を見ながら神妙に答えた。髪は当然だが、顔も綺麗な方なんだな…キスの一つで顔赤くしてんのもかわいいし…って、待てィ!今俺絆されてた!完全に絆されてたっ!

「酔ってもいないし、そんな流れでもなかったし、男同士だし…何故だ」
「わからんばぁ?」
「わからんねぇ…いや、わからなくもないが、犯罪臭がするねぇ」

忠犬みたく俺を見つめてくる平古場は、正直中々かわいいと思うよ?なんとなぁく、前々からそうなんじゃって疑ってはいたし。
でも男子大学生と男子中学生って…まずいだろう、イロイロと。美人教師と男子生徒より、微妙な空気が漂ってるだろ。

「わんぬなーや、凛っていうんさぁ。くりからや凛って呼んでな?」
「わからなくていいところで意味のわかってしまう自分が憎い。…でもまぁ、凛ねぇ?名前かわいいからいっか」

自分から抱き着いてきたりキスしてきたくせに、凛は俺が頭を撫でただけで勢いよく俺から離れた。

「名前みーちぬ、ふらー…っ!」
「だから、ふらー何だよ」

赤い顔のまま去っていく平古場の後ろ姿を見ながら、そっちの趣味はなかったのに、そんなに俺が好きか。かわいい奴だ、とにやけてきた。

結局すぐ絆される俺が凛に落ちるのも、時間の問題かもしれない。


お題:花洩様より


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