俺の恋人は超モテる。まぁ仕方ないな、かわいいし。だって、聞いてくれよこの前なんて…いかんいかん。ただの惚気になるところだった。
まぁまず、俺は五年は組の学級委員長やってるつまりは阿呆の総括なんだが、俺の恋人は五年のかわいすぎるあの鉢屋三郎君なのです…!
凄くね?え、俺これ凄くね?最強じゃね?
だって、まだ正面特攻してきやがる竹谷はいいよ。でも久々知のあの目力で常に凝視されたら精神力削られるし、不破の笑顔に俺一時期神経症になりかけたし、尾浜は会う度に何こいつ超ドSじゃんなちみちみした嫌がらせしてくるし……耐えて戦って三郎の恋人になれた俺凄い!輝く三郎への愛の力!
「…名前、どうしたの?」
「っぐは…!」
俺に120のダメージ!ピコーンピコーン!間違いない。三郎は俺を殺す気だ。死因?失血死に決まっとろうが。
だって何この子、俺の着物の袖を遠慮がちに掴んで、不安そうに潤む瞳で上目遣いに見つめられ、何何何、ちょっと三郎のあまりのかわいさに脳内旅行していた俺に不安になっちゃったの、あれ三郎これ襲えと言外に言ってる?言ってるよな?言ってます!
「さぁぶろー…!」
「わっ!え、名前…?」
抱き着いてそのまま押し倒した俺悪くない。てか三郎がかわいくて、三郎が三郎で、顔真っ赤とか、場所は三郎の部屋で人目ありませんね?はいいただきます!
「三郎…」
「んっ…」
今この瞬間、三郎と俺の唇が合わさ――
「はい、今日のサービスタイム終了ー!」
「雷蔵、時代背景時代背景」
「あ、ごめんごめん。つい名前が鬱陶しくて」
いい雰囲気をぶち壊して襖を開け放ち入って来たのは、俺的五年意地悪野郎共こと、不破と尾浜だった。
うっぜぇえええ!何、人のいちゃいちゃ至福のお時間邪魔してんだ…!
三郎、その二人にそんな無防備なきょとん顔向けちゃダメだ…っ!てか目潤んで、ああぁあかわいい不破と尾浜しね。
「俺もいるぞ」
「っわ…!テメッ!」
いきなり床下から現れた竹谷に放られ、俺は不覚にも三郎と引き離された。
「そして俺もいる」
「…」
久々知が天井裏から現れ、竹谷に放られた俺を受け止めた。
…前々から思っていたんだが、
「久々知って、他と違って邪魔…は、しないけど、何がしたいんだ?」
「三郎幸せそうだし。俺はそれを見ていたい」
い、いい奴…!久々知いい奴!でもその目力やめてっ!色々間接的に邪魔してるから!
「てか、お前等に三郎との時間邪魔されてたまるかぁあああ!はいドロン!」
「っしまった…!」
誰が叫んだか、まぁそんなことは心底どうでもいい。煙玉から出た煙に紛れて、俺は三郎を背負い火薬倉庫の裏に逃げた。
「三郎、大丈夫か?煙目に染みたりしてない?」
「な、当たり前だろ!私は天才鉢屋三郎だぞっ!そんなヘマはしない!」
「そっかぁ」
へへへ、と締まりのない笑顔を浮かべると、三郎は真っ赤になって俯いた。ちくしょー、かわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいい。
俺が野外はまだ早いと俺の内なる本能と戦っていると、三郎が顔を上げた。
「隙有り!」
「っ…?!」
接吻されました。
……三郎さん、そんな俺の理性試すようなことして…どうなっても、知らないよ?
五年アイドルの恋人とは毎日が(理性と級友との)戦いなのである!
50000打リク:三郎と恋人男主の逢引中に五年乱入。三郎総愛され、男主一人勝ち夢(夊様へ贈呈)