わたしには誰よりも素晴らしいお兄さまがいます。お兄さまとわたしは血が繋がっていないけど運命が繋がっているので二人は兄妹なのです。
わたしのお兄さまは眉目秀麗、智勇兼備、雲水白鶴ととにかく最強の最高のすっごいお人なのです。
「あーあーあー」
ブンブン杖を振るだけで勝手にその辺のゴミが静かになるから、魔法って便利。
でもわたし、これ嫌いじゃないけど好きじゃない。お兄さまと一緒にいたいから、お兄さまが褒めてくれるから、やりますけど。めんどくさいな、仕方ないな。
「なまえ、終わったのか?」
「ルシウスお兄さま…!終わりましたよっ!えへへ、褒めてください!すきです!だいすきです!」
「ああ、よくやった」
口付けられた唇を伝ってお兄さまの命の鼓動を感じ、目を閉じ快楽に浸る。ああもうすきすきすきです、お兄さま。
「なまえ」
「はい、何でしょうお兄さま?」
「マグル狩りは楽しいか?」
「特に何も感じません!あ、少し面倒臭いです。ですがルシウスお兄さまが褒めてくださるのでなまえは幸せです!」
「…」
…あら?
あれ、あれ?何でお兄さま、そこで沈黙するのですか?なまえは答え方間違いましたか?
「私のために、か?」
「?なまえが嬉しいのです」
「…なら、私のせいでか」
え?え?ええ?
お兄さま、どうなさったのでしょう。何ゆえそんな、哀しい目でわたしを見るのですか?なまえはお兄さまが楽しいと楽しいし、お兄さまが嬉しいと嬉しくて、お兄さまの幸せがなまえの幸せなのですよ?
そんなお顔、お兄さまには似合いません。
「お兄さま、お兄さまの哀しいはなまえのせいですか?」
「…いいや」
嘘です。お兄さまはお優しいから嘘をつくのです。
「なまえ、私のために生きるのはもうやめなさい」
「…」
え、お兄さま、そんな、あの、え?は、嘘、やだ。
「お兄さまは、なまえが嫌いですか」
「…好きだから、自分の為に生きてほしいんだ。お前は、たった一人の私の妹だ」
「…」
……わかりました。
「お兄さまは、そうしたら幸せになれますね?」
「ああ」
「ならなまえは、」
お兄さまに従います。お兄さまがそう仰るなら、それがどんな拷問より辛く悲しく痛く苦しくとも、笑顔を偽りジブン、の為に。
ええ大丈夫です。お兄さまがそうすれば幸せなのでしょう?なまえは要らない子なのです。でもなまえは死んではいけません。なまえはジブンのためにイきル、ええそれですできますなまえはだって、お兄さまのたった一人の妹ですから。ね。
「さようなら、お兄さま」
愛しの愛しのお兄さま、なまえは死にたいです。頑張ります。