ホグワーツを卒業してから第一志望だった魔法省に勤め始めて、毎日の仕事が楽しくて楽しくて仕方なかった。
私は周りが婚約だ結婚だと浮き足立っている時、恋愛なんて忘れるぐらい仕事にのめり込んでいた。そのかいあって、仕事では評価され今では中々に重要な役職につけている。
そんな色気なんてまったく感じないものの充実した日々を過ごしていた私は、ある日一人の男と出会った。
「なまえさんかな?私はルシウス・マルフォイという。以後、お見知りおきを」
仕事場で何度となく見てきた、本心からではない貼りつけたような笑みで彼は微笑んだ。
関わるべきじゃないと思った。彼は私の手に負えるような相手じゃないことは、わかっていた。
「よろしく、お願いします」
目を離せない時点で、既に私に勝機なんてなかったのだけど。
一目見た瞬間から、私の呼吸は彼に支配されていた。
今思えば、ルシウスが私に近づいたのは死喰い人としての任務だったのだろう。そこまでわかっていて離れられない自分に呆れるしかないけど。
私は本気で好きな人には尽くすタイプの人間だったようで、魔法省の重役として有益な情報をルシウスに与えたり、ルシウスの怪しげな魔法道具を一時期預かってあげたりしている。
たぶん、私も間接的に多くの人の死に関わっている。裁判にかけられたら間違いなくアズカバンだろうなぁ…。
「最中に考え事とは、余裕だな?」
「やっ…ぁ、だめ、気持ちい…っ」
強くナカを突き上げられ、自然と高い声が洩れる。
ホテルに入れば自ら外してくれる、テーブルに置かれたルシウスの薬指の指輪を視界の隅で意識しながら、それでも私は愛しい人の腕の中で一瞬だけの悦びを噛み締めていた。
いっそのこと、一時の感情に身を任せて、名前も知らない彼女を殺してしまいたい。その後ルシウスが私をどうするかなんて知らないけど。
「なまえ、この前の情報はとても役に立った」
「ぁ、あっ!そんな、激しく動かな…っ!」
激しくナカを掻き回され喘ぐしかない私を愉快そうに見ながら、ルシウスは私の耳に口を寄せる。
呼吸が、うまくできない。
「次もよろしく頼むよ」
「っ…うん!」
敏腕キャリアウーマンと言われてもう何年か、仕事での成功だけが私の存在意義で幸せだったのに。
いつからか支配された脳に、私は貴方以外の生きる理由を失った。
「愛してるよ」
それが嘘か本当かなんて当に知りながら、馬鹿のふりして無邪気に笑って果てた。
貴方の愛してるに呼吸を奪われ、今日も私は殺される。
お題:
hakusei様より
10000打リクC:ルシウスとキャリアウーマン夢主の不倫どろどろ裏(ミユ様に贈呈)