ぼんやり、ふわふわ



ふやぁぁ、とよわよわしい、こえ。
だれのこえ?
ふぇぇ、ふゃぁ、とこえはやまない。
とうとつに、きがつく。
これ、おれのこえ?
ぼんやりとした、いしきがだんだんまとまってくる。
あれ、おれ、しんだんじゃ、なかったっけ…?
ふわふわとやわらかくて、あったかくて、ほんのりあまいにおいのするものに、つつまれて、おれはかんがえる。
えっと、おれ、おれは…。
ふと、おもいだす。
さいごにきいた、ローレライのこえ。

―― ルーク、お前が幸せになることを祈っている

どういうこと、なんだろう。
かんがえようと、しても、なんだか、つかれた。
ぽんぽん、と、やわらかく、せなかをたたかれて。
やさしい、やさしいこえが、きこ、え…

すう、と、おれは、ねむりのせかいへ。




(おやすみなさい。愛しい子)


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