2011/05/26 21:37 彼女は振り返らなかった。一度も。 俺は追いかけなかった。そんな資格、無かったから。 謝るのは、俺の方、なのに。 昔からそうだった。何にも執着できない。本気になれない。それが俺こと、井澤真彦。 それでいいと思ってた。別に、誰も困らないし、って。そう、思ってた。 でもさ、違うのかな。そうじゃないのかなって、思うようになった。 きっかけは、きっとあいつ。今まで付き合ってきたどの女とも違う、正直言って変なやつ。 シィン、と静まり返った。教室中の視線がこちらを向く。 沈黙が耳に痛いと思ったのは、初めてだ。なんというか、いたたまれない。地味に辛い。 目の前にいるこの状況の原因は無表情で見つめてくる。 そして何を思ったか、おれの両手を握りしめ、再度口を開き、 「加賀谷幸信。俺の子を産んd「ぎゃわあああっ」 思わず手を振りほどいて逃げたのは仕方ないと思う。 教室を飛び出し、階段を駆け登る。そのままお気に入りのサボりスポットである屋上に駆け込んでから、気がついた。 あ。ここ行き止まりじゃん。 一昨年の暮れのことだ。 久しぶりに会った幼なじみは、思わずあんた誰?と聞いてしまう程変貌していた。 黒かった髪はハニーブラウンに。長さもベリーショートからボブになっていた。 良く言えば男らしい、悪く言えば大雑把だった立ち振る舞いは、なよなよと男らしさのカケラも無かった。 そのせいか、元から小柄で女顔だったのもあり、ぱっと見だと女子かと見間違う程。 信じられなかった。 一年とすこし会わないだけで変わってしまった幼なじみ。 その変貌ぶりに俺は呆気にとられるしか無かった。 何がここまでアイツを変えたのか。 それが知りたくて俺はここに来た。 ちなみに、その幼なじみは生徒会書記の親衛隊隊長とやらをつとめている、らしい。 …マジでアイツになにがあったんだ? 「……つまり?」 「梶原先輩ってさー、書記様にヒトメボレして親衛隊入って当時一年生でありながら僅か三ヶ月で隊長になったツワモノって有名だぜー?すげぇよなー。一年だぜー?一年。え、何?まさか鈴切って梶原先輩にホの字だった系?だとしたら俺めっちゃショックなんだけどー。ほら俺鈴切ラブだしー、いちおしんゆー?だしー、ねー、梶原先輩諦めて一度俺と寝てみなぁい?キモチヨクさせたげるよー?ほら俺テクすごいからー。鈴切も俺にメロメロにな、」 「成海テメエちょっと黙れ?うざい。あと俺ノンケだから」 「鈴切いたいいたいアイアンクローは勘弁ごめんなさいちょっと調子のりましただからいただっ割れるっちょっ頭っ割れっ」 バカップル通り越してウザップルなオネェ×ユル男 ゲテモノ食いと味オンチ 右を見ても左を見ても男。振り向いても男。どこを見ても男。 (……どうしてこうなった) 小澤駿一はため息をついた。 一月前のことだ。駿一の所属する不良チームの総長が恋人を連れて来たのは。 おどおどとしていて、小動物のような印象を受けるその恋人は 私は人形。あなたの人形。 どのような命令にでも従いましょう。 それが私の在る理由なのですから。あなたの側に在る理由なのですから。 私は人形。あなたの人形でございます。 命じてください。あなたの望みはなんですか? 「消えろ」 それがあなたの望みですか。そうですか。 あなたの瞳はもう私を見てすらいない。 私は不要なのですね。わかりきっていたことですが。 あなたは私が視界に入ることも嫌だと言うかのように手をはらった。 DOLL 魔王様の暇潰し 設定 属性は八つ。 火土水金木風光闇。 学園の名前はデーヴァエル デーヴァ→輝くもの エル→神 という意味。 アハル・ラハン ヤヘト・ウィン ゲルダ・タリム レザルダ・アナフェル リク・ウェズナー オリジラブストーリー ちょっと男勝りな世話好きの姐御肌な姉(パン屋志望)とある日出会ったヘタレ気味(でも頑固)眼鏡草食系男子のじれったい恋の話。二人がくっつくまでを弟(シスコン気味のチャラ男系でも誠実)が見守って時にキューピッドになる話 季節は冬。 出会い方は姉によるナンパ。IN冬。夢によく出てくるあそこなかんじ。 というか、ま、迷った。…どうしよう→あ、調度良い所人が…って倒れたぁっ!?→ちょっ!保護!あの人保護!ねーさん早く! もとネタは夢 妄想録ネタ ・研究発表前日パソコン室で ・元基と翔太 ※ 俺は石川敬太。年齢は十七歳。留年はしてないから普通に高二。成績は平均ぐらい。趣味はゲームと音楽鑑賞なインドア派。兄弟は上に姉貴が二人。両親は健在。うん。普通の、ちょいオタク入った健全な高校生だ。……だった、はずなんだけどなあ。 なんだ、こりゃ。 〇〇〇〇 ※ 好きです。大好きです。 だから、僕を見てほしかった。 一人の男として、見てほしかった。 知ってます。そんなの無理だって。 でも、好きなんです。大好きなんです。 初恋、でした。 幼いながらも、とてもとても真剣な、恋でした。 |