空転の華 −346−
雑貨品
美しくも儚い、硝子製。
細々と息をしている、焦がれた漆黒の合弁花。レースのように縁を波立たせ、
先を五つに分けた花弁が四枚広がっている。
正しく真っ直ぐに伸びた茎には紅葉のような葉がいくつもついており、
赤子の手のようにも見えるだろう。
光が射す時も、風が吹く時も憂いを帯びて俯く花だが、
ふとした瞬間に空を見上げ、毒を含んだ赤い内側を晒す。
そこに触れると、花は貴方を障る。許しを得たと、触れてもらえたと歓喜して。
花言葉は「貴方に触れたい」「恋の狂気」「憂い」
素材として使用することが出来る。
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想いの数だけ手を伸ばし、ただただ貴方にさわりたかった。
どうか触って。私が障ってしまうのだとしても。