トウトウ | ナノ
あたしはトウヤのことを知っているつもりだ。とっても真面目だってことも、ちょっとユーモアに欠けてるってことも。
あたしはトウヤにデートに誘って欲しいだけなのに。ずっとずっと待ってるのに。トウヤは一向に誘ってくれる気配はない。トウヤの態度とか視線はものすごく遠回しで、まるであたしの勘違いなんじゃないかと思ってしまう。わかりづらい演出だ。
あたしの態度や視線はわかりやすいはずなのに。好きだからわざと隙だらけにしているのに。本当にトウヤは鈍い

いい加減、待ちくたびれた。
こちらから、誘ってみようか。

「ねえトウヤ、」

あたしはいつもトウヤに合わせて真面目ぶっているのだ。トウヤはきっとあたしのこんな一面は知らないと思う。

「デートしよ」

そう言ってトウヤの手を掴む。トウヤは目をまるくして、でも嬉しそうに笑った。こんなことじゃ先が思いやられる。本当に意気地無しなんだから。
でも、そんなトウヤがあたしはとても好きだから、それでいいんじゃないかとあたしは思った。
トウヤのこと、大好き。そんなことを考えながら手を握る。トウヤは握り返してきた。今は、それだけで、いい。


もどかしいよ
(見てるほうがね)


―――――
お題元:Largo

lunarさんリクエストでトウトウでした!シチュはお任せとのことでしたので、久しぶりにへたれトウヤ君を書いてみました。
どんなシチュでも美味しくなるなんて嬉しいお言葉をありがとうございます。き、期待に応えられているんだろうか……。
もし何か要望があったら書き直しますので、また言ってくださいね!
それではお祝いにリクエストとありがとうございました!
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