るーみく | ナノ



どうしてこうなったのだろう。
私は今の六道くんを通して天井を見ている。気がついたら私の体は畳の上に転がり、上から六道くんが私のことを見ていた。六道くんは私の顔の横に手をつき、真剣な顔をしてこちらを見ている。とても綺麗な顔だ。きりりとした眉も、赤い瞳も、スッと通った鼻筋も、きゅっと引き締まった唇も、全てが整っていて思わず見惚れてしまう。その赤い瞳に射抜かれるとすっかり体の自由が利かなくなってしまう。まさに虜になっていた。

「真宮 桜……」

六道くんはぼそりと私の名前を呼ぶ。それだけで私の心臓は壊れてしまうのかと思うくらいにドキドキと動いた。しかし表情には決して出さない。六道くんの前では余裕な表情をしていたかった。私達はあくまで「ただのクラスメート」なのだから。
私は六道くんの綺麗な赤い瞳をじっと見ていた。見れば見るほど綺麗な瞳だと思う。まるでルビーのようだ。六道くんはそんな私を他所に、私の三つ編みをするりと解いた。三つ編みをしていたせいか、少しウェーブがかった髪が畳の上に散らばる。六道くんはその髪を一筋掬うと唇をつけた。そして私の首元に顔を近づけたかと思うと、耳の裏に唇を寄せた。六道くんの唇は冬のせいか少し乾燥しているように感じた。サラサラの赤い髪が首筋を撫ぜるたびにくすぐったくて身をよじってみたが、六道くんが覆いかぶさっているのもあって上手く体を動かすことが出来ずに結果的にされるがままになっていた。

「真宮 桜」

六道くんが耳元でぼそりと囁く。その声が心地よくて、私の体はゾワリと反応した。反応に気を良くしたのか六道くんはさらに肩に顔を埋め、擦り寄ってきた。何故か嫌な感じはしなかった。

「六道くん」

私は六道くんを呼んでみた。特に意味はなかった。六道くんは私の声を聞くとハッと気がついたような顔をして「すまない」と謝った。どうして謝るのだろうか、私は別に嫌じゃなかったのに。

「六道くん、どうして謝るの」
「どうしてって……」
「六道くん、私はね……別に、嫌じゃなかったよ」
「……それって……」
「りんね様ー!」
「あ、六文ちゃん」

今までどこかに行っていたらしい六文ちゃんが帰ってきた。六道くんをチラリと見るとどこかガックリとして落ち込んでいるように見える。

「また今度時間がある時にゆっくりね」

六道くんにそう告げると六道くんは耳まで真っ赤になった。




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