例えばおれはあの子のことが好きで、あの子もおれのことが好きだとする。しかし相手はお姫様、おれはただのしがないパンピー、しかも盗賊ときた。そうなるとさ
好き、だけじゃだめなんだなあ
「で、お前は姫さんを諦めるのかい」
ブランクは尋ねる。
「そういう意味じゃないけど…」
そう言いながらジタンは酒を口に含む。顔が少し赤いところを見ると酔っているようだ。
「でも、やっぱりこの身分の差って大きいぜ。ま、ブランクはルビィだからわかんないかもしれないけどさ」
そう言った瞬間ブランクはげほげほと咳込む。どうやら動揺しているようだ。
ブランクは少し咳込んだまま返す
「な、誰がルビィなんか相手にするかよ!」
「まーまー照れんなって」
「そんなことよりお前の話だったろーが」
ブランクはまた上手くごまかし、さっきの話へ持っていく。
「どうすんだ?やるのか?」
「もし、おれがダガーのこと迎えに行って、向こうがおれのこと忘れてたらどうすんだよ…」
ブランクははあ、とため息をついた。
「そんなことでどうすんだよ。お前はいつからそんな弱虫になったんだ」
「う、うるせえっ!それにダガーにだって他に好きな男ができてるかもしんないだろ!」
「好きな男ができてたなら、奪ってみせるくらいの根性見せろよジタン」
そう言ってブランクはにやにやと笑っている。やっぱり頑張るしかないよなあ、とジタンは決心したように酒を口に含んだ。
「よし、やってやるぜブランク!そうと決まれば練習だ!」
「仕方ない、付き合ってやるよ」
ジタンは黒いローブに袖を通す。さっきまでのジタンではない、キリリと引き締まった顔がそこにはあった。
「会わせてくれ、いとしのダガーに!!」
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お題元:Largo
素敵なお題をありがとうございました!
EDちょっと前。え、練習してるよね?
という柚原の妄想全開です。
タンタラスいいですよね。入りたい