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エイトはちっこい。0組の中では1番ちっこいし、アタシとは4cmしか変わらない。だから男と女の差なんてそんなにないと思っていた。そりゃあキングとかを見たらちょっとはあると思うけど、でもそれでもちょっとだけだ。戦争は男女差なんて関係ないただの殺し合いだ。自分は男にも負けずに任務を受けている自信はある。

あと3日で任務に出かけるから、今は授業を受けている。正直な話、やってられない。ケイトは机に突っ伏して退屈なクラサメの話をぼんやり聞いていた。前の席はエイトだ。
エイトは真面目だから、授業もしっかりと背筋を伸ばして聞いている。何てったって彼の口癖は「鍛錬を怠るなよ」だ。

(あれ?)

見慣れたエイトの背中がケイトには何故か大きく見えた。いつもいつも小さいと思っていたエイトの背中が何故か今は大きく見えた。背筋を伸ばしているからなのか、でもそんな理由じゃない気がする。ケイトは何故だかエイトの背中を見ると悔しくなった。エイトは変わらないと思っていたのに、エイトもしっかりと成長していたんだなんて感じた。
ケイトは手を伸ばしてエイトの背中を指でゆっくりとなぞる。エイトはくすぐったそうに身じろぎしたが、授業中だからか何も言ってこなかった。ケイトは身じろぐエイトが何だか面白くてゆっくりゆっくりエイトの背中をなぞった。エイトの体は決して柔らかくなくて、普段から鍛錬を怠らない彼の努力が体にでているのだと思った。

「おい」

何時の間にか授業は終わっていたらしい。エイトがこちらを向きケイトの手首を掴んでいた。エイトの手は骨ばっていて、ここでも自分との違いを感じた。最初はあんなに悔しかったのに、今では違いを見つけるのが面白く感じた。

「何笑ってるんだ?」
「んー、エイトには内緒!」


120512



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