ジタンは焦っていた。目の前でダガーが寝ているのである。いや、そりゃ添い寝しようと言ったのは自分だが、まさか本当に目の前で寝られてしまうなんて思ってはいなかった。
しかしダガーは最近政務やら何やらで忙しく、今日だって久しぶりに会えたので、疲れていたのかもしれない。そんな少しの空いた時間に自分を呼んでくれることがジタンは嬉しかったりする。そんなことを考えていたら自然と頬が緩んだ。
これは今からどうするべきだろうか。紳士ならさっとおでこにキスの1つでも落として帰るのだろうが、久しぶりに会うジタンは帰るのがもったいないと考えた。せっかくなのでダガーの寝顔を少し眺めることにした。
(綺麗な顔だなあ……)
ダガーの顔を見てるとジタンの本能がむくむくと顔をもたげてきた。いけないいけないとジタンは首を振る。
「……ん、ふぅ」
ジタンの心臓がドキンと跳ねる。尻尾はピンとのびきり、悲しいくらいに反応してしまっている。自分が情けない。
でも帰るのはなんだか惜しくて。
(……これくらい許してくれよ)
ジタンはダガーのおでこに唇を寄せる。ダガーはまだぐっすりと寝ている。
ジタンはダガーの寝顔を見守りながら眠ることなく夜を過ごしたのであった。
悩める青少年
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男の子を悶々とさせるのって好きです
男前なのに肝心なところでヘタレなジタンが大好きだ!