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スコールは疲れていた。斬っても斬ってもでてくるイミテーション。いい加減に顔にも疲労の色がありありと見えていた。
手に持ったガンブレードがとても重く感じる。体が暑い。足はがくがくと悲鳴をあげているし、喉もからからだ。口の中は水分を欲してべたべたとしていた。
しかし容赦なく襲ってくるイミテーション。もう何体めかというイミテーションを斬る。とにかく斬る。止まったら最後、もう動けなくなる気がする。
自分の気づかないうちに、背後から襲ってきていたらしいイミテーションが、スコールを傷つけようとしたとき

「オレに任せな!」

ジタンだ。ジタンが自分を助けてくれている。ジタンもイミテーションと戦っていて疲れているはずなのに、自分より年下のジタンが、自分より小さな体で、一生懸命イミテーションに向かってダガーを振り回している。そんなジタンを見ていると、疲れてふらふらな自分がなんだか恥ずかしくなった。
ジタンの真剣な目、それが自分の士気をあげた。

ジタンがあんなに頑張っているのだから、俺ももうひと頑張りだ。

スコールは空気の読めない奴、と一言呟くと、肺いっぱいに空気を詰め込む。肺に冷たい空気が入って、少し体が冷えた気がする。
そして腹に力をこめて、またイミテーションの群れの中へと走っていったのだった。


君のおかげ


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012でオートアシストにして、勝手にアシストされた時に思いました



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