BW1周年 | ナノ




次の日あたしがマルチトレイン乗り場に行くと、トウヤくんが立っていた。約束したからなんだろうけど、トウヤくんがちゃんと約束を覚えてくれていたことがとても嬉しかった。
はじめて会った時はあたしよりちょっと下くらいだったトウヤくんの身長は、今ではトウヤくんの方がちょっとだけあたしを抜かしていて、なんだかそんなところで時の長さを感じる。
トウヤくんとマルチトレインに行くようになってそろそろ1年だ。トウヤくんの方が大きくなったりするのは当たり前。時間の流れは透明だけど、こうして時々あたしに色を見せてくれるからびっくりする。色んな色があって、まるでトウヤくんみたいだなあなんて思う。

「ねー、トウヤくん」
「なに?」
「バトルしようよ」
「……今からするんでしょ?」
「そういう意味じゃなくて。……あたし、トウヤくんとバトルがしたいの」
「え?」
「負けないよ。トウヤくんに初めて会ってそろそろ一年、あたしだってこの子たちと一緒に成長してきたんだもん」

トウヤくんは目を真ん丸くした後、ふ、と口元を緩ませて。

「いいよ、後でバトルしよう」

とりあえず先に電車に乗ろうか、なんてトウヤくんが言うから、あたし達は電車に乗った。21連勝、できるといいな。





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