「トウヤ、トウヤ」
それ飲みたい、とトウコは僕の持ってるサイダーの缶を指さす。
「自分のあるじゃん」
「サイダーも飲みたくなったの!」
ね、いいじゃん。ちょっとちょうだいよ、ほらあたしのオレンジもあげるからさあ。とトウコは引く気はないらしい。渋々僕はトウコのオレンジの缶とサイダーを交換する。トウコは僕のサイダーを貰うとありがとうと極上の笑顔を浮かべてサイダーを煽る。ごくり、とトウコの喉が鳴った。あれ、これって、もしかして。
「はー、やっぱり炭酸も美味しいねえ」
ありがと、トウヤ。あれ、トウヤ飲まないの?とトウコは僕にサイダーの缶を渡して、減っていないオレンジの缶を手にとってけろりと言う。
間接ちゅうでも刺激的
意識してるのは僕だけかよ、なんて。ちょっと悲しくなったけれど、トウコと間接的にでもちゅーできてラッキーと思うことにして、トウコからオレンジの缶を奪って、煽った。オレンジは酸っぱかったけれど、どこかほんのり甘かった。
「やっぱり飲むんじゃん。でもそんな勢いよく飲まなくても……」
「いいじゃん別に」
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お題元:sting
毎日暑くてもうすっかり夏ですね
110615