雑記 | ナノ
りんさく



いつもの通り造花を作っていた。真宮桜が後ろで手伝ってくれている。彼女がクラブ棟にいてくれると心地よい気分になる。どうしてかなんてとっくに気づいている。おれは真宮桜に恋をしているのだ。
ふと、後ろの空気が動いた気がした。真宮桜の匂いがふわりと鼻腔に流れてきて、情けなくも胸が高鳴った。突然背中を指でなぞられる感覚を感じて、いよいよ手元の造花に集中できなくなった。

「……何を書いたんだ?」
「うーん、内緒」

そう言って彼女はまた背中に指を走らせる。全神経を背中に集中させたら次はなんとか理解できた。しかし理解できた瞬間全身の血が沸騰するかと思うくらいに体がほてった。心臓はドキドキドキドキ鳴り続けている。この音が彼女に聞こえていないか不安だった。真宮桜はおれが理解できたことを知ってか知らずか目の前でいつも通りの無表情だ。何を考えているのか全くわからなかった。一体どういう意図で書いたのか、彼女の気持ちが知りたかった。スキ、だなんて。

「……今のは何を書いたんだ」
「……わからなかったらいいよ」

そんな大したことじゃないし、と真宮桜は淡々と、しかしどこか寂しそうに口に出した。おれはますます真宮桜の気持ちがわからなくなった。



ネタとしては気に入ってるんですが短いオチない続かないので泣く泣くネタメモに。
いつか書き直せたらいいなあ。


20130409/19:26