<歓迎会準備編>

しおりを挟む

|



「やっぱり船長ってさ...。
彼女のこと、好きなのかな?」

「あのベポを見ただろ?」

「そーなんだけどさ...。
あの船長が誰かを好きになるとか
そんなことあると思うか?」


シャチとペンギンの間に、
しばし続く沈黙。

その間にも淡々と
二人は仕事をこなし、
上陸の準備は整っていく。



「でも、あんだけ可愛いんだぜ...?
男なら誰だって...。
さすがの船長でもいくだろ!」

「確かにそーだ!」

「船長はイケメンだしな...。」

「身長も高いしな...。」

「むちゃくちゃ強いし...。」


そりゃ、人を切り刻むとか、
難しいオペほど楽しんでるとか
変態な部分はあるけどよ。

まぁ、でも...。


「「医者だし??」」








「「あーあ...俺にも
彼女できねェかなー。」」




!!

「シャチっ!」「ペンギンっ!」



二人は目に涙を浮かべながら
ひしっと抱き締め合った。




「おい、お前ら。」

そうそう。

「そこで、何してるんだ。
気持ち悪ィ...。」

この低音ボイスもさ、
ムカつくほど、イケてて...。



「って、船長!?いつからそこにっ!!」

「お前らにそんな
趣味があったとはな。想定外だ。」

「「違いますよ!これは!!」


「まぁ、いい。
ペンギン、お前に頼み事がある。」










「船長の頼みって何だったんだ?」

「服とか必要なものを
一緒に買ってこいってさ。」

「いいなー!デートかよ。」

「ふっふっふ...。」

「なんだよ!気持ち悪ィな!」

「そこでだ。俺には考えがあるんだ。
今夜、歓迎パーティーをしないか?
船長には俺が許可を得てくる。」

「それと買い物と
なんの関係があるんだよ?」

「お前、分かってねェな...。
パーティーと言えばドレスだろう!?」


シャチは胸の前でポンっと手を叩く。
ペンギンは悪いことを
企んでいるような、
そんな笑みを浮かべていた。


「船長は医者だろ?だからさ...。」

「うーん、なるほど...。
だったらさ!船長のも...。」

「その手があったか!」


二人はそう話しながら、
隠れるように身体を丸め
ニヤニヤと笑っていた。

「「船長、喜ぶかなぁ〜??」」








「じゃ!こっちのことは俺に任せろ。」

「おうっ!」

腕を堅く組み、団結を深める。
そこに他の船員達がやってきた。


「何を任せろって?おい、ペンギン。
あの子と一緒に買い物行くんだってな。」

「かーっ!!羨ましいぜ!」

「ちょうどいいとこに来た!
いまペンギンと話してたんだが...。」


シャチが彼らにも今夜のことを
説明すると、興奮したのか
歓声が湧き上がる。


「いいな!それ!!」「やろう!」

「じゃあ、手伝ってくれよ。」

「いいぜ!俺が船長に
許可取ってきてやるよ。」

「本当か?頼む!俺は行ってくるぜ。」



「あー...それなんだけどよ...///」


もしあの子の服を買うなら
ミニにしてくれねェか?


「ふっふっふ...。
俺を誰だと思っている!」

そう言ってペンギンは
親指を立てて彼らに突き出した。


「それは男のロマンだろ?」

「......ペンギン。」



「任せろ!ついでに
ボディサイズも調べてくるぜ。」


「「「おおー!!」」」

「「何か分かんねェけどかっけー。
ペンギン!!」」



こうしてペンギンは、
彼らの期待を背負い街へと向かった。








しおりを挟む

3 / 6
|

目次へ

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -