<※裏>
その後、絶叫にでも連れて行ってくれるのかと思えば全くの逆。小さな世界だ。
小さな子供のいる親子に紛れて、二人で乗り込む。
「ママ―、これはどういう乗り物なの?」
「んとね、みんなで船に乗るの。」
「そうなんだ!楽しそうだね!!」
「うん、きっと楽しいわ。」
目の前の親子の会話が、とても微笑ましい。そう言えば、ローって子供好きなのかな?なんとなく苦手そうだけど...。さりげなく可愛いね、と声をかけてみた。
「あぁ、そうだな。」
目の前の子供を見つめる目は、とても優しい。私にとっては意外な返答だった。
「子供好きなの?てっきり苦手なんだとばかり思ってた。」
「嫌いじゃない。欲しいかと言われれば今はいらないが...お前との子供なら、欲しいかもな。」
「えっ!?」
サラリと聞こえた言葉。聞き間違いか?とさえ思った。プロポーズともとれるその言葉に私の胸は高鳴り、頬が赤くなるのが分かった。
「名前、顔赤い。」
「だって、ローがサラっと嬉しいこと言うからっ!」
「ま、俺に似合ういい女になれよ。」
「またそんな意地悪言う。」
きゅっとローの腕を抱きしめた。
(ローとの子供。いつか本当にそんな日が来たらいいな。)
遠い幸せな未来を想像しながら、私は船に乗り込んだ。隣は前に並んでいた親子だ。横にちょこんと座った目をキラキラさせた子供は、とても可愛らしい。
それに加えてローが嬉しいことを言ってくれたものだからこの時、私は忘れていた。自分の中にある異物の存在を。
「ローがこれに乗るって言うとは思わなかったなぁ。どうしてこれに...っ!?」
ブブブブブ―――ッ
突如、冷たい塊は動きだした。その存在を思い出すと同時に、まさかここで!?とローの目を見た。ぶつかりあう視線。私の考えていることは伝わっているはずなのに...。
「わぁ、すごいね!ママ!!」
「ねー。みんな可愛いね。」
世界は一つという、平和な世界をテーマにしたアトラクションの中で、私の身体は欲に溺れている。それも小さな子供のすぐ傍で。
幸いにも、ローターの強さは“弱”らしい。これなら耐えることができる。
「久々に乗ってみたくなってな。」
「...っ。そ、そーなん、だっ。」
「どうした?名前。」
「な、なんでもな...いっよ。ロー...こそ、っどーしてそんなっ...あぁ!」
我慢できなかった。ローが突然、“弱”から“強”に変えたのだ。ビクっと体中に電気が駆け巡るような感覚が走る。キュウキュウ、と意識とは関係なく異物を締め付ける肉壁が、さらに奥へと快楽を走らせていく。
「あぁ!み、見て...あ、そこの...人形っ。かわ...い...っ!」
周りの人に気付かれるわけにはいかない。必死に漏れでそうな声を我慢しながら、ローに話かける。ビクッと疼くそこは、愛液で溢れかえっていた。
悪いことだとわかっているのに、身体は求めてしまう。身体に籠る体温に、頭がクラクラしそうだった。
「ん、どれのことだ?」
「ほ、ほらっ。あ...んぁ、あれ...。」
「わからねぇなァ。」
ローの手が私の肩へと回る。周りから見れば、どの人形だ?と二人で話しているように見えるのかもしれない。だけど、違う。感じる耳元に吹きつけられる息とともにローは囁いた、「辛そうだな、楽にしてやるよ。」
「んっ、あ...っ。」
ぎゅっと引き寄せられたかと思うと、見えないように胸の突起を摘ままれる。「勃ってんじゃねェか。」再び耳元で響く低音。ローは全て分かってやってるのだ。その上で、私の反応を愉しんでいる。
ローの手の中で弄ばれるローターのリモコン。私の限界も近い。
(こんな子供の横でイッてしまうの?耐えなきゃ...。)
俯きながら、必死に湧き上がる何かに耐えていた。だが、ローから与えられる快感に耐えられるわけもなく。我慢すればするほど大きくなった刺激に、私は負けてしまった。
胸の突起を強く摘まむと同時に“強”にされたローター。
「...んっ、う。」
ローの腕に抱きつきながら、私は二度目の絶頂に達した。